夫が遅れて来た衝撃の理由
産院に着いてから1時間後には、陣痛は7分間隔に。初めての出産ということもあり、不安で何度もナースコールを押して助産師さんに来てもらってしまいました。陣痛室が真っ暗だったこともあり、今までで一番長い夜のように感じられました。
朝7時半ごろ、子宮口が4cmになり、陣痛室から分娩室へ移動することに。そのタイミングで、夫に「病院に来て」と連絡しました。
分娩室に移動してからは、さらに陣痛が強く、間隔も短くなっていきます。痛みが来てもいきめないし、痛みが去っても次の陣痛が怖くて、私は早く夫に来てほしいと思いながらただただ耐えていました。
しかし、1時間経っても夫はまだ現れません……。
見かねた助産師さんが、夫に電話をかけてから10分後――。ようやく夫が来てくれました。
陣痛が来るたびにおしりをおさえてくれたり、水分をとるのを手伝ってくれたりとサポートをしてくれた夫。分娩室に移ってから子宮口は1時間に2cmのペースで開いていました。
そして、夫が到着してから2時間半後――。
最愛の娘が産声を上げました。私はほっとしたのと、痛みからの解放で気が抜けたので、涙も出ませんでしたが、夫は声をあげて泣いていました。
夫に到着が遅れた理由を聞くと、長丁場に備えてお風呂に入って身なりを整え、自分の着替えを持ち、コンビニで自分の食べ物と飲み物を調達していたとのこと。私が陣痛で苦しんでいるときに、なんて悠長な……と呆れてしまいました。
たしかに、臨月に入ったときに「初産だから時間がかかるかもしれない」「長丁場に備えて食べ物や飲み物は事前に用意しておいてね」とは伝えていました。夫は決して間違ったことはしていないのですが、こちらは命懸けでお産に挑んでいるのだから一刻も早く駆けつけてほしかったです。
もしも次の出産があれば、そのときは「連絡したらすぐに来られるように用意しておいてね!」と伝えようと思っています。
イラスト/はたこ
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:中谷みなみ
1歳の女の子を育てるママ。7歳年上の夫と趣味で知り合う。