しかし現実はそう甘くはありません。あんなに私に懐いてくれていたはずの娘たちですが、コロッと態度が変わってしまいました。
懐かない子どもたち
私の料理はおいしくないと言って食事に手をつけない日々は、心が折れそうになります。それでも私がその場を離れると、戻ってくるころには完食され、お皿がキッチンに下げられているよう。これが反抗期なのでしょうか……。
娘たちの態度は傷つくことばかりですが、どうにか頑張れるのは夫や近所に住む義母のおかげ。義母は子育てに協力的で、たびたび子どもたちを預かり、私に1人の時間を作ってくれます。
義母がかけてくれる「あなたはよく頑張っている」というやさしい言葉に、何度救われたことか……。今日も義母が娘たちを預かってくれるというので、私は久しぶりに実家の母に会いにやってきました。
実母は知っていた
母は私の顔を見るなり、悩みがあることをズバリと当てました。私は思い切って、母に今の状況を相談することに……。
すると、母は驚くどころか「やっぱりね」と言って、とある音声データを再生したのです。そこには義母が誰かと話す声が録音されていたのですが、会話の内容を聞いてビックリ!
「早く嫁を追い出したい」「嫁がいなくなったら息子のお金で悠々自適に暮らす」「孫はウソをすっかり信じて、嫁を毛嫌いしてくれた」と、衝撃の発言ばかりです。
この音声は、義母が定期的に通っているクリニックの待合室での会話だそう。義母が大声で話しているところに母がたまたま居合わせていて、こっそり録音したようです。
義母を信じていたのでとてもショックでした。
「出ていく!」と言った私に娘は…
娘たちを義実家に迎えにいき、帰宅した私。顔を合わせた途端、娘たちは「こっち見ないで!」「ニセモノの母親なんか、大っきらい!」と、いつもの反抗を見せます。
私が「それなら出て行くね」としんみり言うと、明らかに動揺する娘たち。その姿を見て、反抗は本心ではないと気付きました。
「嘘だよ!出て行くわけないじゃん」と言うと、明らかにホッとした顔を見せる双子。2人のことを本当の娘のように思っている、私が出て行くように仕向けても無駄だと、笑って伝えました。
双子は「なんで知ってるの?」と驚いています。やはり義母が何か吹き込んだのでしょう。
義母が嘘をついたワケ
別の日、義母が遊びに来ると言っていたので、私は覚悟を決めました。 母が録音したデータを家族の前で流したのです。
最初は意味がわからない様子だった娘たちですが、義母がうろたえているのを見て状況を理解したよう。「全部ウソだったの……!?」と、2人同時に声を上げました。
すべてを悟った夫が「全部おばあちゃんのウソ。心配かけてごめんな」と言うと、娘たちは号泣しながら私に謝りました。「お料理もなんでもおいしい!」「嫌なことばかりしてごめんなさい」「大好き!」泣きながらそう繰り返す娘たちを、私も泣きながら抱きしめたのでした。
その後、夫は義母に絶縁を宣言。義母は息子を取られた寂しさから言ってしまった、と弁解しましたが、子どもたちを巻き込んだことは許せません。
おかげで、今は家族4人仲良く暮らしています。最近はご近所さんから「ママにそっくりね」と言われることも……。ママになることに戸惑いはありましたが、今ではあのとき決心して良かったと思っています。
信じていた義母の裏切りはショックでしたね。でも、おかげで娘たちとは血の繋がりを超えた絆を手に入れられました。これからは、母娘でたくさん素敵な思い出を作ってほしいですね。