そんなある日、夫の曽祖父が亡くなりました。私たち夫婦はお葬式に参列するために、曽祖父が暮らしていた田舎の大きな家に行ったのですがーー。
夫の提案
葬儀を滞りなく終えると、夫は義両親と祖母に、曽祖父が住んでいた家に引っ越してはどうか? と提案しました。実家は私たち夫婦が買い取って住むと言います。
目の前が畑と言う曽祖父の家は、ゆくゆくは田舎で野菜を育てながら暮らしたいと言っていた義母にピッタリです。義両親と義祖母も「たしかに」と納得していました。
いずれにしろ、私が口を挟む問題ではないので、そのまま静観していました。
それから数週間後、私の働くリフォーム会社に問い合わせがあり、見てみると義両親の名前。私は2人が実家をリフォームしようとしていることを知りました。
義家族は夫の提案を受け入れ、田舎暮らしをすることに決めたのだとか。実家はリフォームして、夫の誕生日にサプライズで渡すつもりだったとようです。私はくれぐれも計画をバラさないようにと念を押されました。
義母と義祖母
実家のリフォームは、私たちの関係性も変えました。これまで接点のなかった義母や義祖母と打ち合わせの席で頻繁に会うようになり、私たちの距離を縮めたのです。
夫が危惧していた嫁姑問題なんてもってのほか。今では一緒にトレーニングジムに行ったり、夫がいないときに家を行き来したりする仲になりました。
リフォーム工事は順調に進み、無事完成! 明日は、いよいよ夫の誕生日です。いつものジムで義母と義祖母と待ち合わせをし、どうやってプライズをしようか作戦会議をすることになっていました。
祖母が危篤!?
私たちが楽しく夫の誕生日の計画を立てていると、夫から着信がありました。義母たちと仲良くなったことはサプライズまで秘密です。一緒にいることを悟られないように電話に出ると、夫はとんでもないことを話し出しました。
「実家の祖母が危篤なんだ。実家には俺だけで行ってくるから、おまえは落ち着くまで家で待っててくれ」と夫。
しかしうしろを振り向くと、義祖母も義母も元気にトレーニング中です。夫は何かを隠しているに違いありません。
私は夫のウソを義母と義祖母に打ち明けました。すると、驚くことに2人と心当たりがあると言うのです。
夫が誕生日を一緒に過ごそうとしている相手は、最近離婚して実家に戻ってきた夫の高校時代の元カノ。実家から自転車で10分ほどの場所に住んでいるようで、最近ちらほら目撃情報があがっていたのだと言います。
夫が実家に住もうとしたワケ
義母は、証拠を押さえないと! と言い、義祖母と2人でさっさと着替えて帰っていきました。数時間後、予想していたとおり、義母からホテルに腕を組んで入る2人の写真が送られてきました。
夫の行動はお見通し! さすが義母と義祖母です。夫が実家を買い取ろうとしていたのも、不倫相手の近くに行きたかったからに違いありません。私は、愛情が一気に冷めていくのを感じていました。
翌日「祖母は一命を取り留めた」という連絡とともに帰宅した夫。私は義母と義祖母と一緒に出迎えました。
夫は仁王立ちする私たちを見てびっくり。私は静かに全部知っていると言い、不倫の証拠を差し出しました。
もう言い訳はできないと思ったのか、夫はあっさり不倫を認め、夫が不倫するのは妻が努力を怠ったせいだと逆ギレ……。今回の件とは無関係にもかかわらず、勝手に俺の親と連絡をとるな! と言う謎の文句まで言ってきます。
私は喚き散らす夫に「お誕生日おめでとう!」と満面の笑みで、記入済みの離婚届をプレゼントしました。義母と義祖母が味方してくれ、私はしっかりと慰謝料を取ることができました。
妻を気遣って義家族との関わりを最低限にしたのかと思いきや、不倫の隠れミノにするためだったようですね。こういうとき、無条件で息子を庇う義家族もいますが、悪いものは悪いと対処してくれる義家族だったことはせめてもの救いですね。