集合写真が苦手な長男
ASDの特性上、整列することや、シャッターに合わせて笑顔をつくることなどが求められる集合写真は、長男にとって苦手中の苦手です。
園から頂く集合写真の中の長男は、先生の後ろに隠れたり、クラスの旗で顔を隠したりしているものばかりでした。
卒園写真でも大暴れ…
卒園式は、パニックになりながらも何とか終わり、ついに写真撮影の時間がやってきました。いつもと違う雰囲気に敏感になり、疲れも出ている長男は、大暴れして抵抗します。
いつもだったら私もあきらめますが、幼稚園最後の思い出に、どんな形でもいいから写真には写ってほしいと必死でした。
最終的に長男は、泣きながらも私の横で写真撮影に参加してくれました。肌寒い日でしたが、私と長男は汗びっしょり。袴姿で長男を追いかけてくださった先生は、もっと大変だったと思います。
完成した写真を見て驚き!
卒園式から3週間後、できあがった写真には、私の体から顔だけ出している長男が満面の笑みで写っていました。なんとカメラマンさんは、長男がほんの一瞬見せた良い顔を見逃さず撮ってくださっていたようで、集合写真に長男の笑顔の写真を合成してくださったのです。
そしてこのとき選ばれた笑顔は、大好きな担任の先生に抱っこされたときのものでした。カメラマンさんのプロの技には脱帽です。
このとき、文句も言わずに待っていてくれたお友だちと、温かく見守ってくださった親御さん、先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。この卒園写真には、長男の特性を理解し、いつも真剣に向きあってくれた幼稚園の思い出すべてが詰まっている気がします。
著者:木山みのり
2018年生まれの男児と2020年生まれの男児のママ。長男はASD。小中高の教員免許(国語)を保有。自分と家族との時間を大切にするためにシンプルライフを追求中。趣味の読書で月に20冊の本を読む。