気づけば、ゲームばかりしている夫。勝手に譲り受けてきた保護犬の面倒も、私が主にお世話をしていました。就職活動を言い訳に、夫は家事もサボり気味。口では頑張っていると言っていますが、本当に就職活動なんてしているのか疑問でした。
そんな最中、新婚旅行の計画が浮上。お金もかかるし、私1人だけが働いている今はまだそのときではないと思いましたが、時間のあるうちに行っておきたいという夫の意見を聞き、また夫が費用は再就職が果たせた暁に負担してくれると約束してくれたので、ひとまず私の貯蓄を使って計画することにしました。航空券の手配やホテルの予約など、いつも面倒だと言ってやってくれないことも、夫が進んでやってくれて大助かりでした。
疑惑の浮上
その後、夫は妙に熱心に休みの日に限って飼い犬のお世話をするようになりました。そして、散歩と称して外出することが多くなったのです。やや不思議に思ってはいましたが、友人からの連絡で納得。どうやら若い女性とカフェで密会しているようでした。
夫を問い詰めると、会っている相手は保護犬の施設のスタッフだそうで、たまにドックカフェなどで待ち合わせしうちの子と会わせ、またいろいろとアドバイスをもらっていると言いました。
気になった私は、実際にその女性に会ってみたくなり、手引をしてほしいと夫に頼むと、家のゴタゴタに若い子を巻き込みたくないと夫は二の足を踏みます。純粋に保護活動をしている、真面目な19歳の学生。それが彼女の正体のようでした。
最初不倫を疑っていた私でしたが、彼女と夫は20歳近く離れているとのこと。彼女にとって夫は恋愛の対象外である可能性が高く、夫もそういう気持ちにはなれないのではと思い始め、私はすこしホッとしていました。
とんだ夫の行動に…
一時は安心したものの、やはり私は彼女と会うことにしました。気になることが出てきたので……。自力で彼女を探し出して話をしたところ、気づいたことがいろいろあったのです。そして新婚旅行前日に、事態を大きく動かすことにしました。
私が気になっていたこと、それは手配した航空券に私の名前がないこと。
とぼけて夫に尋ねると……。
「明日の新婚旅行だけどさ、彼女と行ってくるわ」
「ババァはやっぱり無理」
夫がこれほどとんでもない男だとは思いませんでした。
目を覚まさせなくては……。
「彼女ならここにいるけど」
「あんたのこと訴えるって」
そのとき私は、夫の不倫相手と思われていた女性と一緒にいました。
追い詰められながらも、夫は私をあざ笑い、余裕を見せました。自分より7つも年上の私に離婚をちらつかせれば、おとなしくなると思っているのでしょう。衣食住を保証してくれるならこのまま一緒にいてやってもいい、なんて言い出すのですから人を馬鹿にしています。そもそも私は結婚願望が強くないですし、親は不幸な結婚より幸せな離婚を望んでくれるタイプですから。こちらは離婚大歓迎です。
私は弁護士を立て、離婚の話し合いをすることにしました。しかし、1番大きな問題はそこではありませんでした。彼女に会って知った、驚きの真実。実は、夫はとんでもない勘違い男だったのです。
驚きの真実
保護犬を引き取ってくれたからと始めは善意で相談にのっていた彼女ですが、夫からの執ような連絡に恐怖を感じるようになったそうです。名前や住所、通っている学校までいろいろと調べあげられ、プライベートな質問をされたり、気持ちの悪い詩を送りつけられたり……。しかし夫からの連絡を無下にすることもできなかったと言います。こんな人を怒らせたら、何をされるかわからないと……。ずっと困っていたところに、私が登場したというわけです。
やはり19歳の彼女にとって20歳年上の夫は恋愛対象外でした。無職である上に20歳も年下の子に迷惑をかけるおじさんなんて、私でも愛想を尽かします。
私は彼女が警察に被害届を出したことも告げました。精神的苦痛を与え続けたので、彼女にも慰謝料を求められるでしょう。ただ恋愛をしていただけと夫は言いますが、善意を逆手に近づくような卑きょうな行動をしたことに、言い訳は通用しません。
慰謝料なんて財産分与から支払ってやると息巻いていましたが、私たちの結婚生活はたった1年。夫は結婚とほぼ同時に無職になりましたし、分与するほどの財産はないのです。私の独身時代の貯金をねらっていたようですが、それは共有財産ではありません。それを知らなかった夫は真っ青になり、慌てて謝罪、離婚の意思を撤回してきました。
その後、警察に通報された件もあり、離婚はあっさりと成立。また独身に戻った私ですが、保護犬と一緒に毎日を楽しんでいます。
夫の勝手な思い込みで、女性にも怖い思いをさせてしまいました。妻の立場からしても、申し訳ない気持ちでいっぱいですよね。そして、仕事もなく、家事もしない夫を半年間支えていた妻。1人で家庭を支えることは簡単なことではありません。夫には今回の件で、自分の勘違いを自覚し、自分の言動を見つめ直してほしいですね。