「早く行けよ」息子が背中を蹴飛ばされた!?
私は息子に付き添い、一緒に滑り台の列に並びました。しばらくして、ようやく息子が滑る順番に。夫も、息子を受け止めようと滑り台の降り口で待ち構えています。ところが、滑る直前になって息子は「こわいよ~」と怖気づいてしまい、なかなか滑ろうとしません。一緒にすべり台の階段を登っていた私も「大丈夫だよ~」と声を掛けますが、効果なし。後ろに並んでいる子もいるので諦めようと思い、立ち上がった矢先、並んでいた小学1年生くらいの男の子が、急に息子の背中をひと蹴り! さらに「早く行けよ」と催促してきたのです。
男の子の乱暴な態度にイラッとしつつも、私は「足で蹴ったら痛いでしょう。もうやめてね」と冷静に伝えました。しかし男の子は無言のままどこかへ行ってしまいます。息子は背中を蹴られたことでさらに怖がり、滑りたがりません。仕方がないので、滑り台を滑らずに私は息子を抱えて階段を降りることに。
すると、息子と私が夫に合流したところに男の子のママらしき女性がヅカヅカと近寄ってきます。「うちの子から聞いたんですけど、叱ったみたいですね? 怒られて怖いと言っているんですけど。あまり大袈裟に怒ると息子が怖がるのでやめてもらえます?」とひと言。私は冷静に注意しただけなので、女性の言葉にびっくり。言葉を失っていると夫が「お子さんの様子、見ていませんでしたか? うちの子は降り口で背中を蹴られて、事故寸前だったんですよ?」と説明を入れてくれました。夫の口調は冷静でしたが、自分勝手な女性の主張にイラッとしているようです。危ない状況だったことに気がついてくれたかな? と思いましたが、女性は鼻で笑って「え? 事故なんか起きてませんよね?」とこちらの言い分をわかってくれない様子……。夫が「事故が起きてからでは遅いんです。きちんとお子さんに伝えてください。そしてお子さんをきちんと見ててください」と語気を強めてその女性と後ろに隠れている男の子へも目線を送りながら伝えてくれました。男の子が気まずそうにしている姿を見て女性は「すみませんでしたね」と吐き捨てて、その場を去って行ったのです。
この一件で、一つの情報だけで状況を判断して、一方的に物事を決めつけてしまうのはよくないなと改めて思いました。何かトラブルが起きたときは、様々な立場から物事を考えて発言することを心がけたいと感じた出来事です。また、息子はその後すぐに別の遊具に夢中になっていたので、切り替えの早さを見習いたいと思いました。
作画/ Pappayappa
著者:桂ゆかり
働く乗り物が大好きな4歳の男の子と、ティッシュをひらひらさせて遊ぶのが大好きな2歳の女の子を育てるアラサーママ。夫は夜勤のため、月〜土曜日までワンオペの日々を過ごしている。