出産予定日が一緒の友人。出産方法は…
妊娠28週に入るころ、学生時代の同級生とたまたま連絡を取ることがあったので、そのついでにまだできていなかった妊娠の報告をしました。すると、その友だちも妊娠していて、しかも出産予定日が一緒だったのです。
ちょうど性別が判明したころだったので、「うちは女の子だったよ、そちらは?」と聞きました。すると、「私は助産院で出産予定でね、“自然派”なの。だから性別はわからないんだ」とのこと。
もともと助産院での出産に興味があった私。あきらめた経緯があるので悔しい気持ちもあり、そして普通分娩のことを“不自然派”と言われているように感じてモヤッとしてしまいました。
帝王切開の可能性も出てきて…
妊娠30週に入るころ「順調だね、逆子ってこと以外は。まだ正しい位置に戻る確率は高いから」と、逆子体操(※)をするよう助産師さんから指導を受けました。さらに、万が一このまま戻らなかったら帝王切開になるとのこと。
自然派どころか、選択の余地なく帝王切開……。もちろん、帝王切開も立派なお産ですが、普通分娩を考えていた私はショックを受けてしまいました。それからは、逆子が戻ってほしい、普通分娩でお産がしたいと思いながら、逆子体操をしていました。
(※)逆子体操について:最近ではおなかが張るなどのリスクもあるため、逆子体操をすすめない施設も増えてきています
結論! 出産方法のこだわりを捨てる
畳の部屋でお産をしようとしている友だちがいて、普通分娩か帝王切開かで揺れる私がいて……。そんな中、「結局は、どこでどのように生まれるかは誰にもわからない。どのようなかたちで生まれてきても、元気な産声が聞こえればそれでいい」と思うようになりました。
生まれてくるわが子のことを考えたら、お産のかたちにこだわるのは小さなことのように感じ……。安全に元気に生まれてきてくれるなら、出産方法はなんでもいいなと思え、気持ちを切り替えることができました。
友だちの何気ない言葉になぜあんなにモヤッとしたのか、自分でも不思議だったのですが、“自然派”への憧れがあったのだと思います。現在、さまざまな出産方法があり、たくさんの情報や経験談を知ることができます。しかし、生活環境や家族の状況、母体や赤ちゃんの状態によって選択肢が限られていることが多いのも現実です。無理なく不安なく、安全にお産に臨むことができるのが、ベストな出産方法なのだと今は思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/さくら
著者:くばやたまこ
35歳の主婦。趣味は海外旅行とダイビング。ナチュラルライフを意識しており、田舎への移住を検討中。