「親に問題があるんじゃない?」
同世代ということもあり、A子さんとはすぐに意気投合。当時、息子はイヤイヤ期で、「お着替えしない!」と毎朝泣くので、パジャマで登園する日もありました。
息子の対応に悩んでいた私は、A子さんに「息子の着替えが大変で……。無理矢理服を脱がせることもあるの。どうしたらいいかな……」と相談してみることに。
するとA子さんは「うわー。毒親っぽい」とニヤニヤ笑います。ママ友のA子さんなら、私の悩みに共感してくれるはずだと思い込んでいましたが、まさかの反応に私はビックリ……。
言葉を失っていると、A子さんは続けて「うちの母がさ、泣いたり暴れたりするタイプの子は、親に問題があるって言ってたよ。やっぱり、子どもには穏やかに接しないと、かわいそうっていうか〜」と得意顔で言ってきます。話に聞くとA子さんの息子は、大人しい性格で普段からあまりかんしゃくを起こすこともないそうです。とはいえあまりの言い方に、私はイラッ! 職場の同僚でもあるA子さんと喧嘩をしたくない気持ちもあったので「毒親って私のこと? 息子のことで一生懸命なだけなんだけど、おかしいことなのかな?」とやんわり怒りを伝えてみましたが、A子さんは「うちのママが聞いたら、『過干渉よ!』って怒りそう」と笑っており、私の思いは通じていないように感じました。私は「そうかもね」とさっさと話を切り上げて、今後は子どもの相談をしないことに。A子さんとは、職場の仲間としては良い関係を続けています。
子どもの特性は一人ひとり違うもの。A子さんから、毒親だと言われてかなりモヤモヤしましたが、育児の価値観がママ同士で食い違うこともあるのだと思い直しました。「ママ友ではなく、職場の同僚」と割り切って付き合うことで、気持ちを切り替えられた出来事です。
作画/ yoichigo
著者:桂ゆかり
働く乗り物が大好きな4歳の男の子と、ティッシュをひらひらさせて遊ぶのが大好きな2歳の女の子を育てるアラサーママ。夫は夜勤のため、月〜土曜日までワンオペの日々を過ごしている。