家に招かれた本当の理由…
娘と一緒にAさんの家を訪ねた私。子ども同士を遊ばせ、Aさんとは子育て談義に花を咲かせます。お昼ごはんのあと、子どもたちはお昼寝タイムに。するとAさんはおもむろに身につけているブルーの石がついたブレスレットを見せてきて「これ、いいでしょ? 実は5万円もするの」とニコニコ。そのブレスレットはAさんがいつも身につけているもの。Aさんがアクセサリーにお金をかけるタイプだと思わなかったので、内心かなり驚きましたが、「ヘぇ〜すごい! かわいいね」と当たり障りのない返事をしました。
私のリアクションに満足したのか、Aさんはハイテンションに! 一冊のパンフレットをテーブルに置き、「実はこれ、パワーストーンで作られたアクセサリーでね、とっても運気が上がるの!」と紹介してきます。Aさんは、結婚や出産ができたのはすべてこのアクセサリーのおかげなのだと熱弁。Aさんの勢いに圧倒されて、私は話を聞き続けます。しかし、Aさんは「私が紹介すると安く買えるよ。同じブレスレット、4万円割り引いて、1万円でどう?」と売りつけようとしてきたのです。どうやらAさんが私を家に誘ったのは、パワーストーンを売るためだったよう……。
パワーストーン自体はいい物なのかもしれませんが、ブレスレットとしては高額だと感じた私。やんわり断ると、Aさんの表情が途端に暗くなり「石の力を信じられない人には、石の呪いがかかるって知ってる……?」と不気味なこと言い始めます。Aさんの豹変ぶりが怖くなった私は、「そうなんだ! 呪いがかからないように気をつけるね! じゃあ!」とあえて明るく振る舞い、娘を起こして早々と帰宅。Aさんは私に買う気が全くないとわかったのか、それ以来連絡をしてくることはなくなりました。
子どもを通して出会うママ友は、不思議と仲間意識が生まれやすくなる気がします。Aさんのことは気の合うママ友だと思っていただけに、家に誘われた目的に気づいたときはショックでした。今後ママ友の家に遊びに行くのは、相手をよく知ってからにしようと思った出来事です。
作画/ yoichigo
著者:生田さなえ
1歳の娘を育てるアラサーママ。体力が有り余る娘の相手に毎日ヘトヘトになりながらも育児を楽しんでいる。趣味はお菓子作り。娘といっしょにお菓子を作るのが夢。