好感度の高い、おっとりした彼女
彼女とは大学のサークルで知り合いました。彼女はとてもおっとりした性格で、誰に対しても分け隔てなく接することができるやさしい人。サークルでは子どもやお年寄りと接する機会も多かったのですが、誰からも好かれるほどでした。
そんな彼女の性格の良さに惹かれた僕は、思い切って彼女に告白。するとOKをもらえ、お付き合いをスタートすることとなったのです。
純真無垢すぎる
お付き合いを始めてからも、彼女の印象が変わることはありませんでした。やさしい彼女とケンカをすることもありませんでしたし、彼女から人の悪口や愚痴を聞くこともありませんでした。
ただ、付き合いが長くなるにつれ、そんな彼女の「あまりにも純真無垢で人を疑わない」ところに、僕は違和感を覚えるようになってしまったのです。
実は彼女、知人に多額のお金を貸していたようです。しかしそれは最終的に返ってくることはありませんでした。知人に逃げられてしまったのです。それでも彼女は怒ることなく「そういうこともあるから」「相手にも事情があると思うから」と許してしまいます。
また、サークル仲間と口論になったときも、ただ相手の話をじっと聞くだけ。あまりの言われっぷりだったため、彼女に「もう少し怒ってもいいんじゃないか」と言ったこともあるのですが、そのときも彼女は「あの人たちにも言い分があるから」と言って気にしていない様子で……。
彼女の崇高な性格は尊敬しますが、「僕なら許せない」と思うことを許してしまうところに、僕はだんだんとついていけなくなってしまったのです。
受けとめることができない
結局、そんな彼女を僕は受け止めることができないと、僕から別れを切り出しました。そのときも彼女からは「わかった」と言われるだけで、特に僕を責めることもなく、淡々としていました。
お互い、その後サークルを引退。彼女とはそれきり会っていません。今思い返しても、彼女は人間的にとても素敵な人だと思います。ただ、あまりに崇高過ぎて、僕には受け止める度量がありませんでした。
今でも時々、ふと彼女のことを思い出すときがあります。人間的にはすてきな人だったため、今もあのときの彼女のままでいてほしいと思ってしまいます。
著者/匿名
イラスト/ほや助
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