私が作った離乳食を、義母が…
生後6カ月ごろから離乳食を始めた娘ですが、生後10カ月になってもまったく離乳食を口にしようとしません。それでもなんとか食べることの楽しさを知ってほしいと離乳食を続けていました。
ある日、娘に離乳食をあげるタイミングで義母が遊びに来ます。「今来なくても……」と思いましたが、せっかく準備をしていたので、義母の見ている前で離乳食を与えることに。娘はいつも通り口を閉じ、まったく食べようとしてくれません。すると、そんな様子を見た義母がやれやれと言った様子で「あなたが作った離乳食はおいしくなさそう。それに食べさせ方もよくない。娘ちゃんがかわいそうだわ!」と指摘してきました。その言葉にイラッとしましたが、顔には出さず「私、昔から不器用で……。料理が得意なお義母さんが作ったものなら食べてくれるかもしれないので、ぜひ作ってみてもらえませんか?」と提案してみることに。義母は「最初から、素直にそういえばいいのよ」と得意げです。
後日近所の義実家で、義母が作った離乳食をあげてみることに。当日、義母は時間をかけて離乳食を作り、自信満々な様子で私たちを迎えてくれました。しかし、いざ義母が離乳食を与えようとすると、娘はギャン泣きで義母が作った離乳食をひっくり返します。腕によりをかけて作った離乳食が散乱する様子に、義母はあ然。そして義母は私に「離乳食を食べてもらうことがこんなに大変だなんて思っていなかったわ……。この前はひどいことを言ってごめんなさい……」と言ってくれたのです! 私も「いえ、せっかく作ってくれたのにひっくり返しちゃってすみません」と伝えました。それ以降は離乳食の進捗に口を出さなくなるどころか、「ごはんおいしいから食べてみて~」と娘に声かけをするなど、協力までしてくれるように。
1歳になった娘は、食べる量は少ないもののだんだんと口に入れてくれるようにもなっています。自分と同じ立場を経験してもらうことは、理解を得る近道なのかもしれないと実感。今後も何か問題に直面したときには、相手に実際に経験してもらうことも選択肢の一つにしようと思った出来事です。
作画/ Pappayappa
著者:伊藤まりな
1歳の娘を育てる20代のママ。娘が生後7カ月のときに復職。夫は残業で帰宅時間が遅く、平日はワンオペに奮闘。子どもを寝かしつけたあとに、こっそり食べるスイーツが日々の楽しみ。