いつものように病院の付き添いをしていたところ、あーちゃんが「あと1週間分あるはずなのに、薬がもうないのよ!」と言いだし、姉はビックリ。ないと訴えているのは持病の糖尿病の薬なので、あーちゃんには欠かせません。詳しく話を聞こうにも記憶が曖昧なため、結局家まで行って捜索することに。ただ、家には顔を合わせたくない父がいたため、不便でも姉は家の外から指示を出すだけ。結局「絶対にない」と本人が断言していた場所から見つかり、認知症に「絶対」はないということを目の当たりにしました。
オシャレ心は忘れていない
薬がないと大騒ぎした日、病院のスタッフからは口々にこう言われました。つまり、あなたが行けば? ってこと……。
姉はこう答えるのが精いっぱい。
あーちゃんがいつもこうアピっているので、すっかり「仲良し親子」のイメージがついているのかもしれません。でも、こちらにもいろいろな歴史や事情はあるわけで……。
「やるのが当たり前」だと思われることが、これからも増えると思うと、気が重いです。
足元がおぼつかないあーちゃんにヒールを履かないでもらえるよう、かかとの低い靴を買いましたが、この日は履いていませんでした。
姉が理由を聞くと……。
こうやって、ときどきまともなことを言うので、認知症って難しい……。
今回はこの説明ですんなり納得してくれました。
オシャレ心を持ち続けているのはいいことだけれど、足元が心配だからヒールはもうやめてほしいです……。
薬がないとあーちゃんが大騒ぎした日。姉は、看護師さんや薬剤師さんなど、あらゆる人たちから、「あなたが家に行って薬を確認すれば?」といった内容のことを言われたようです。毎週欠かさず私たち姉妹のどちらかが付き添っているので「仲良し親子」だと思われているのかもしれませんが、こちらにもいろいろと歴史や事情はあるわけで……。簡単に口出ししてほしくないのが本音。
多少無理してでもやってあげると、周りからはそれが当たり前だと思われてしまう現状は、私たち姉妹にとって納得がいきません。これから負担が大きくなっても、「やるのが当たり前」だと思われ続けるのであれば、かなり気が重いです。
薬がないと大騒ぎしていたあーちゃんですが、この日は一緒に買いに行ったかかとの低い靴を履いていませんでした。姉が理由を聞くと、素材感が季節外れだからとのこと……。薬の場所はわからないのに、靴の素材と季節感の関係性は理解できているという、不思議な状況。でも、今もオシャレは続けているので、いつまでもきれいでいたいと思う気持ちは持っていてほしいです。
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毎回病院に付き添っていると、周りからは姉妹で積極的にサポートしているように見えますが、なんとか都合をつけてやっていることでも、周りからは「当たり前」に見えてしまうのはたしかにモヤっとしてしまいそうです。介護は育児と違って、成長とともに手が離れることはないため、自分の生活を守りながら無理をせずに関わるというのも大事かもしれません。
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