突然の出来事
私の祖母が末期がんで自宅療養をしていた当時、私はまだ学生だったのですが、介護は主に両親がおこなっていました。しかし、私は祖母のことが大好きだったので、できるだけ祖母の助けになりたいと思い、毎日のように祖母の家を訪ねていました。
そんな中、ある日突然私の目の前で、祖母は強い痛みを感じて苦しみ始めたのです。慌てて医師を呼んだのですが、医師からは「現状ではもうできることは何もない」と告げられました。
私は、苦しむ祖母を見ていながら何もできない自分が情けなくて、涙が止まりませんでした。しかし、祖母はそんな私の手を握って「ありがとう、今までそばにいてくれて」と言ってくれました。
祖母をみとることを決意
その祖母の言葉に、私はどれだけ救われたかわかりません。そして、そのときから祖母を最後までみとる手伝いをすることを決意しました。
私は祖母と過ごす時間を大切に思い、一緒にそばに座って思い出話や世間話をしたり、ときには冗談を言い合ったりしました。しかし、病状が悪化するにつれて祖母は起きていられなくなりました。
最終的には寝たきりになり、食事や排泄も自分でおこなうことができなくなりました。自分ができることは限られていたのですが、そばで見ていても寝たきりの人の介護は想像以上に大変なものでした。介護は24時間体制が基本で、体力的にも精神的にも大きな負担がかかるものだったのです。
世話だけでない介護の大変さ
また、両親と医療スタッフとのやりとりも、そばで聞いていて大変だと思いました。医師や看護師の説明は専門用語が多く、理解するのが難しいことがよくあります。さらに、祖母は軽度の認知症も発症していて、自分の意思を伝えることが困難になっていました。そのため、祖母が何を望んでいるのかを推測しながら、適切なケアをおこなう必要がありました。
いろいろな困難がありましたが、私は家族や医療スタッフと協力しながら、祖母をみとりました。祖母が亡くなったときは、大きな悲しみを感じたものの、同時に最後まで祖母をみとることができて、本当によかったという思いもありました。
介護の経験を通して、私は人と人とのつながりの大切さを学ぶことができたと思っています。また、介護に関わる人たちを支えていく存在が必要だと感じました。
まとめ
介護は決してラクではありませんが、人と人とのつながりの大切さや命の尊さを実感できるなど、介護を通して得られるものがたくさんあると感じます。困難が付きまとう介護ですが、自分を成長させてくれる経験でもありました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:山田ひとみ/女性・主婦。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年6月)
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