離婚を通して感じたこと
前の夫とは会社で毎日顔を合わせていて「明るくて表情豊かなところが好きだ」と告白され結婚しました。しかし結婚後、義家族との同居について夫との意見の食い違いが大きくなり……。私は「子どもを守る」ため離婚し、シングルマザーとして子どもと暮らしていく決意を固めました。
この結婚生活で学んだことは、「人の性格は変わらないが、気持ちは変わる」ということです。最初は好きな気持ちが大きくても、ちょっとしたズレでその好きな気持ちが一気に冷めてしまうことがあると実感しました。
「また支え合う関係を築きたい」
その後、子育てに奮闘し、子育てが一段落ついたころ。友だち夫婦の姿を見て「また誰かと支え合う関係を築きたい」と思うようになりました。今までひとりで頑張ってきたからこそ、心を許し合える人がいたらどれだけ癒されるだろう? ホッとできるだろう?――そう思ったのです。
そして私はバツイチ専用のマッチングサービスを見つけ、思い切って登録。顔写真は恥ずかしさから載せませんでしたが、そのぶんプロフィールを充実させて、自己アピール欄をしっかりめに埋めました。
女性が新規登録すると男性から、メッセージのやりとりのためのリクエストがたくさん届きます。女性からもリクエストできるのですが、離婚を経験していることもあり、自分の見る目に自信がなかったので、いただいたメッセージの中からプロフィール重視で気が合いそうな方とメッセージのやりとりをはじめました。
有名大学出身、ネット記事でも讃えられていた彼
リクエストをくれた中には有名大学卒、大手企業で働いているという男性がいました。ネットで彼の名前を検索すると、「敏腕社員」として彼のインタビュー記事が。彼の写真も載っていたので「この人なら安心かも」と彼とメッセージのやりとりをスタートしました。
彼は知的で頼りがいがある人。そして別れて暮らす子どもへの愛情や今の仕事への責任感など、あたたかい人柄がメッセージから伺えました。数カ月メッセージが続いたある日、いよいよ会うことに。車を持っていないと言う彼に私が会いに行ったところ、彼の第一印象は想像通りで真面目な方でした。
そして、待ち合わせ場所の向かい側が、彼がひとりで暮らす家でした。彼は「せっかくなので自分を知ってもらうために家を見てもらいたい」と言います。
初対面で家は……とは思ったものの、思い切って家にお邪魔することに。
すると……コンビニ弁当が食べっぱなし、空のペットボトルが散乱、布団は敷きっぱなし、たばこは吸わないとアプリには書いてありましたが灰皿に吸い殻が山盛り。
とにかくほこりとにおいがひどく、私はすぐさま家の外へ脱出することにしました。そして、彼に「今度、一緒に家を掃除しようか?」と提案してみると……彼は顔色を変え「え? これで俺は居心地よく暮らしてるから意見されたくない!」と激怒!
私は彼の豹変に恐怖を覚え、そのまま車で逃げるようにして帰りました。
仕事への心構え、従業員への思いやり、自然や天候への感性、その他もろもろに感心してメッセージのやりとりをした数カ月間。しかし、たしかに衛生観念の違いまで話は及びませんでした。
多少の散らかりはひとり暮らしで珍しくないことだと思いますが、部屋にあったゴミ袋にコバエがたかっていたのと、たばこを吸っていないと噓ついていたことが、私は受け入れられませんでした。今回のことでメッセージのやりとりの時間が一瞬でムダに。そのことに空しくなってしまったのですが、私が都合のいいほうに想像してしまっていたこともあるなと反省しました。私自身、初めてのマッチングアプリに期待しすぎていたのかもしれない……そう思った経験でした。
著者/新常 理勢
イラスト/Ru
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