義母の顔が怖かった理由
大好きな義母に、日ごろの感謝の気持ちを伝えるために、母の日にお花を贈ることにした私。夫に「お義母さんは何色が好きかな?」と聞きました。すると「う~ん、そうだね、白が一番好きだと思う」と教えてくれたので、白いカーネーションをプレゼントすることに。
「喜んでくれるかな」「きっと気に入ると思うよ」と夫と話しながら義実家へ。出迎えてくれた義母に「いつもありがとうございます!」と夫と2人で白いカーネーションと淡いピンク色のカーネーションの花束を渡しました。すると、「まぁ、きれいなカーネーション。ありがとう。」と受け取ってくれましたが顔は何やら曇っています。
そして、義母は「でもね……」と言ってこう続けたのです。
「白いカーネーションは亡くなった方に手向けるものなのよ。覚えておいてね」と。笑顔ではあるのですが、目がまったく笑っておらず、このときの義母は何とも怖い表情に見えました。
早く逃げ帰りたい気持ちになってしまいましたが、「そんなつもりではなかった」と夫と2人でひたすら謝りました。
義母は許してくれましたが、関係性によっては「知らなかったじゃ済まされない」可能性もあったように思います。
それからというもの、人にお花を贈るときは事前に花言葉をネットで調べたり、お花屋さんに聞いたりするようにしています。夫もとても反省し、夫婦で勉強になった出来事でした。
イラスト/きりぷち
著者:あさ ふじこ
2児の母。現在は、写真業界で働いています。趣味は写真を撮ることです。