彼がファイリングしていたのは…
会う1週間ほど前から、メールや電話で連絡を取っていた私たち。彼はとてもやさしそうで、私の中では好印象でした。友人の紹介ということもあり、彼なら自宅を知られても安心だろうと思ったため、デート当日は彼に車で自宅まで迎えにきてもらうことに。当時大学生だった私は、車を持っている男性と知って、彼に「かっこいいな」と魅力を感じたのを覚えています。
そんな中で迎えたデート当日。彼の車に乗り込んで「どこに食べに行こうか」と話していたら、彼が突然、カバンから分厚いファイルを取り出しました。何かな?と思ってそのファイルを覗き込むと……そこには、ありとあらゆる飲食店の紙のクーポンがどっさり入っていたのです!
当時は紙のクーポンが主流だったのですが、驚くべきはその量でした。ポカーンとしている私の隣で、「こっちは有効期限がもうすぐ切れるから」「こっちは割引率が微妙かぁ」などと、ブツブツ話し続ける彼。私はどうすべきかわからずにしばらくフリーズしていたのですが、ハッとして「急におなかが痛くなってきちゃって」と仮病を使い、飲食店に向かう前に帰宅しました。
もちろん、クーポンを使うこと自体を悪いとは思いません。ただ私の場合、彼が大量のクーポンを持ち歩いていたことに加え、有効期限や割引率などに細かくこだわる彼の行動を見て、「この人はないな」と思ってしまったのです。
後日、彼を紹介してくれた女友だちから進捗を尋ねられ、体調が悪くなって途中で帰宅した、とだけ伝えました。今になって思い返しても、彼はなぜあんなに大量のクーポンを持っていたのだろう……と不思議に思います。信頼している友人から誰かを紹介してもらうときであっても、「きっと大丈夫だろう」と安心せず、相手がどんな人なのか、事前にできるだけ聞いておくほうがいいと学びました。
著者/小林香菜
作画/ちゃこ
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