見知らぬ女性からの小言にうんざり…
私はぐったりしながら、病院の待合室に座っていると「あら〜? 小児科でもないのにどうして赤ちゃん連れてきているの? かわいそうでしょ」と隣に座っていた年配の女性から眉をひそめて言われました。
正直体調が悪くて、言い返す元気もなかったのですが、娘が「かわいそう」と言われて黙っていられなかった私は、「実家が遠くて、預ける人がいなくて」と返します。
すると年配の女性は大きなため息をつきました。さらに、「それならご近所さんにでも預ければいいでしょ、私の若いころはね……」と、自分がいかにご近所さんと助け合ってきたのかを語り出しました。
イライラがマックスの私は、「私は夫の転勤で引っ越してきたので、知り合いもほとんどいません! 具合が悪いのでもうほっといてください」と女性に怒って言いました。体調も悪かったので、大きな声が出たわけではありませんが、私の怒りが伝わったのか、年配の女性はそれ以上言い返してくることはありませんでした。
その後、診察を終えた私が帰ろうとすると、女性がメモを渡してきました。見ず知らずの人から突然メモを渡された私は、動揺を隠せません……。渡されたメモをよく見ると連絡先が書かれていました。
何か怪しい勧誘? と不安に思っていると、女性が「さっきは急にごめんなさいね、お母さんも子育て大変よね、少しでもお役に立ちたいと思って……、これ私の電話番号だから、困ったことがあったら電話して、今日はおせっかいでごめんなさい」と女性は言いました。
女性が親切で渡してくれたのだと意図がわかり、思わず涙が滲みました。そして「私も、先ほどはしんどくてひどいことを言ってしまい、すみませんでした、お気遣いありがとうございます」と謝罪と感謝を伝え、女性に別れを告げて帰宅したのでした。
さすがに気が引けて女性に電話することはありませんでしたが、知り合いがほとんどいなかったその土地で、味方がひとり増えたような気がして少しあたたかい気持ちに。その後、ママ友も少しずつできてきて、以前よりラクな気持ちで過ごせています。
もし今度同じようなことが起きたら、冷静に相手の発言の意図を考えるようにし、感情的にならないように気をつけようと決めた出来事です。
著者:吉田あいこ/30代・主婦。幼稚園年長の女の子を育てるママ。産後すぐに夫の転勤で引っ越があり、怒涛の日々を過ごす。ワンオペの疲れを癒やすべくパン屋さん巡りにハマり、今は作ることが楽しみ。
イラスト:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています