私は義父がどのように過ごしているかを夫に連絡するようにしていたのですが、夫はくだらないと言ってまともに聞いてくれません。さらに、夫は義父のことを気にかけないどころか、帰りが遅いことを言い訳に私や息子と会話する時間も取らなくなっていました。
義父が亡くなる間際も夫は…
ある日、義父の様子がおかしかったので救急車を呼んだのですが、そこで義父の心肺が停止しました。一度は持ち直したものの、厳しい状態のようです。私は息子の学校に連絡して早退させ、夫にもすぐ来るよう連絡を入れました。
しかし夫は、大事なプレゼンがあるから行けないと言います。私が懸命に説得しても、無駄でした。それどころか、義父の死を望むような発言までする夫に、私は冷酷さを感じるばかりでした。
2日後、義父の葬儀が終わると、私は息子から意外な言葉を聞きました。義父が、息子の前ではよく私のことを褒めていたと言うのです。偏屈な性格の義父でしたが、そういうかわいいところもあったので、義父がいないのはやはり寂しく感じてしまうのでした。
一方夫は、遺産を相続できると調子に乗っています。しかし、そうしていられるのも今のうち。私と息子は、これまで夫に隠していたことを教えることにしました。
息子からの説明に慌てふためく夫
翌日、夫から私に連絡が来ました。
「長年父さんの介護ご苦労さん」
「もう自由にしていいぞ」
「俺は新しい嫁と暮らすから」
しかし、その連絡に返事をしたのは私ではなく息子でした。
「出ていくのは父さんだよ」
状況がわかっていない夫に、息子は説明を始めます。義父は、夫ではなく私と息子に遺産を相続させようと生前に準備をしてくれていたのです！
困惑する夫を無視して、息子はさらに続けました。私と夫が離婚するのは大賛成だと。実は、夫は仕事だと言いながら浮気をしていたのです。そして、私と息子はとっくにそのことに気づいていました。当然私が夫を追い出すつもりであることを息子が伝えると、夫は焦って息子を説得しようとします。しかし、息子が折れるわけがないのでした。
家族を大切にしなかった夫の末路
それからすぐに、夫は私に泣きついてきました。離婚の件は考え直してほしいと。どうやら新しい嫁になるはずだった女性は、夫が遺産を相続できないとわかって出ていったようです。
義父に暴力をふるったり、暴言を吐いたりしていた夫。そのような態度だから遺産を相続できなくなったのだと私が言うと、遺産は譲るから離婚はやめてくれと懇願してきます。しかし私は夫を許す気がまったくなかったので、夫は義父が最後に与えた罰を受けることになったのでした。
その後離婚が成立し、私は夫を家から追い出しました。夫は相続できると思い込んで散財したお金や慰謝料によって、借金を抱えることになったそうです。一方、私と息子は今も義実家で生活しています。私も再び働こうと資格の勉強を始めましたが、そうできるのも義父の遺産のおかげなのでした。
妻に介護をまかせっきりな上に暴言を吐くような息子に、いくら実の父親でも大切な遺産を相続させたいとは思わないのでしょうね。家族に困難が訪れたときは、全員で助け合って乗り越えたいものです。
