隣県の単身赴任先に作り置きのおかずを届けに行っても、なんだかんだと理由をつけて私を家に入れてくれなくなった夫。なんだか怪しいと思った私は、夫の上司の妻に探りを入れることに……。
夫の単身赴任はうそ…!?
夫の上司の妻と、私は同じ高校出身。年に1~2回ランチをする仲です。
ランチの際に「単身赴任している夫が家に入れてくれなくなって……」とあえて相談してみたところ、上司の妻は「あなたの旦那さん、今も本社勤務でうちの夫のサポートをしてくれているけど……?」とのこと。
その場で上司にも確認してくれ、夫は単身赴任をしていないことが明らかに。心配してくれた上司夫妻には「どうしてそんなことをしたんでしょう……」と言ったものの、私はなんとなくその理由を肌で感じ取っていました。
目を白黒させる夫
2週間後――。
単身赴任を終えて帰って来たとうそぶく夫を、私は家から叩き出しました。夫が見知らぬおなかの大きい女性を連れてきて、「離婚してくれ」と言い出したからです。
「彼女が妊娠したから離婚してくれ!」
「慰謝料はきっちり払うから黙って離婚届サインしろ!」
「いや、離婚しないけど」
「え?」
浮気した夫に有責があるけれど、私は離婚の申し出を拒否することに。
「子どもの認知はしてあげてもいいし、別居もしてあげる」「でも別居するなら、しっかりと私に婚姻費用として生活費を払ってよね」「慰謝料をもらうより、あなたの扶養に入って婚姻費用をもらった方がお得なんだもの。きっちり請求させてもらうから」と言うと、夫は目を白黒させていました。
夫の哀れな末路
2カ月後――。
単身赴任先と偽っていたアパートで未だに暮らし続けている夫から、「やっぱりやり直そう」とメッセージが来ました。浮気相手はどうしたのかと聞くと、子どもを連れて逃げたとのこと。
「認知してるから、養育費は払わなきゃいけないし、お前への婚姻費用もあって支払いがきついんだ」「それに、お前は俺のことが好きで離れたくないから、離婚に応じなかっただけだろ?お前は浮気されてもまだ俺のことを愛してくれているんだよな?」
あまりの勘違いっぷりに私は大爆笑。「たった今、離婚届を出してきました」と返信しました。
うちから市役所までは徒歩5分。最初のメッセージを受け取った時点で、私は記入済みの離婚届を持って市役所へ向かったのです。そして、離婚届は無事受理されました。
その後――。
「離婚したくない」とごねる夫と、逃げた浮気相手に対して、弁護士を通じて慰謝料を請求した私。こちらの希望通りの金額をゲットできたので、私はその土地から引っ越すことにしました。
引っ越す前に、上司と上司の妻を食事に誘いました。2人とも「新天地でもがんばってね」「困ったことがあったらいつでも連絡して」と笑顔で送り出してくれたので、それを支えに引っ越し先でもがんばろうと思います。