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「何これ!?」 祖母の手に何かある…? 不自由さに紛れて気付かなかったものとは【体験談】

祖母は若いころの病気が原因で左半身が不自由な上、膝を壊しており、あまり動くことができません。家の中の移動は主にハイハイ。手首がうまく曲がらないため、肘から指先まで全体を床に着けて、ほふく前進に近い形で移動しています。外出はほとんどしませんが、どうしても外出が必要なときもあります。ある日、祖母の外出をサポートしようと手をつないだところ、ある違和感に気づきました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師菊池大和先生
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長

地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
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ある日、手をつないでみたら

普段の祖母の外出先といえば、定期的に通っている病院かデイサービス。病院のほうは介護タクシーを使用し、母が付き添っていました。デイサービスは施設のスタッフが家の前まで迎えに来てくれて、祖母は玄関から迎えの車までの距離を杖をつきながら歩いて移動していました。本当は車まで車椅子を使ったほうが安全で速いのですが、自宅前の通路が狭くて車椅子が通れないため、このような方法で移動することになっていたのです。

 

そんなある日、祖母が「歯が痛い」と言うので、歯医者さんに行くことになりました。運転できない母に代わり、私が車を出すことに。私の車は介護仕様にはなっておらず、歯科医院に到着後、助手席に座っていた祖母を車椅子に移動させるため手を貸したのですが、ふと違和感が……。触った祖母の左手が、何だか硬かったのです。そのときは「もしかしてこれも病気の影響なのかな」とあまり深く考えずにいたのですが、祖母宅に帰宅して、同じように手を貸した際に驚くことが起きました。私の手に当たった固い物が動いたような気配がしたのです。びっくりした私は、咄嗟に祖母の手を掴み、手の平を見てみました。そこにはなんと大きめのコブがあったのです。

 

手の平にあったコブの正体

祖母の左手はまひがあるため、通常ほんの少しだけ握ったような状態(手の平に置いた卵を軽く握っているような感じ)になっています。その親指の付け根の辺りに大きめの丸い物がありました。ピンポン玉より少し小さいくらいのサイズで、特に内出血などもありません。恐る恐る触れてみましたが、痛みなどはなく、触っても感覚がないと言います。試しに少し指で動かしてみたら、何となくそのかたまりが動きました。祖母本人も気づいておらず、初めて気がついたと驚いていました。

 

慌てていつも見ていただいている主治医の先生に連絡を取って診てもらったところ、整形外科への受診をすすめられました。そして、翌日整形外科で診てもらった結果、そのコブの正体は「ガングリオン」というものだと判明。

 

多くは良性の腫瘤(しゅりゅう)で、中にゼリー状のものが詰まって膨らんでいるのだそうです。通常は大きくなると痛みやしびれ、動かしにくさなどで気づくそうですが、祖母の場合はたまたま不自由な左手のほうにできたために気づかなかったのではないかということ。ガングリオン自体はそのまま放置することもあるようですが、神経を圧迫している可能性もあるということで治療することになったのです。

 

 

ガングリオンの治療

ガングリオンの治療は、保存的療法と手術の2つがありました。保存的療法は、注射器で中のゼリー状の物質を何回かに分けて吸い出すというもので、比較的簡単におこなうことができる点がメリットですが、手術に比べて再発の可能性が高いのがデメリットだそうです。

 

一方の手術は、治療効果が高く、再発の可能性が低い点がメリットですが、どうしても大掛かりになってしまい、切開するので高齢になればなるほど傷が治るのに時間がかかるのがデメリットだそうです。祖母の場合は、左手をあまり頻繁に使わないことから、保存的療法を選択しました。

 

私は治療には立ち会っていないので、話を聞いただけですが、注射器を刺してもあまり痛みもなかったとのことです。少し大きかったので、回数は多くなってしまいましたが、治療の結果、コブは随分小さくなり、元々の手の膨らみなのかどうなのかと思えるほどにまでなりました。それでも、半年ほどでまた大きくなってしまうことも。初めて治療してからもう10年以上が経ちますが、大きくなる頻度は定まっておらず、早く大きくなるときもあれば、なかなか大きくならないときもあるようです。

 

まとめ

初めて気づいたときはかなりびっくりしましたが、正体がわかり、治療方法がわかってからは驚くこともなくなりました。「まひしている側はどうしても異常に気づきにくい」と先生も言っていましたが、感覚がないということは痛みや異常に気づきにくいというデメリットがあるのだと改めて気づかされた出来事でした。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:大沢花/女性・主婦。

イラスト:sawawa

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)

 

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