食いしん坊どころではない!?
始めは私のダイエットのためだといっていた夫の“横取り食い”でしたが、最近では、娘のごはんにまで手を出すようになりました。
ある日、私が娘の大好きなおでんを作っておいたのですが、習い事で留守にしている間に娘が一番好きな卵やちくわを全部食べていて、残っているのはそこまで好きではない大根やこんにゃくのみ……。
娘の分まで平らげてしまったことには、本当に驚きました。なぜ食べ尽くしてしまったのかと聞くと「将来、母親の私みたいにデブになったら困るだろう」と言うのです。成長期の子どもに必要な分の食事まで奪うなんて、信じられません。
夫の食い尽くしは止まらず……毎日の食事はもちろん、楽しみにしていたデザートのスイカも1玉食べてしまいました。呆れた私と娘は、だんだんと夫が帰宅する前に食事を終わらせるようになったのです。
夫の食い尽くし、とどまることを知らず…
ある週末、娘の友だちがやってきました。なんでも一緒にケーキを作るのだとか。2人は手際もよく、私の手助けもほぼないまま素敵なケーキが出来上がりました。
しかし2人はどうしてもトッピングにイチゴが欲しいと言います。ケーキを冷蔵庫にしまい、私と娘たちは近くのスーパーに買いに出かけました。
帰宅すると、冷蔵庫にあったはずのケーキがなく、その代わり空になったお皿がシンクに置いてありました。さすがにそんなことはしないと油断していましたが、夫はケーキまでも食べ尽くしてしまったのです。
お友だちは呆然としており、娘は今にも泣き出しそう……。夫はいつものごとく「太ったらいけないと思って食べておいてあげたんだ。感謝されるべきだ」と言い張りました。
孤立した夫
ついに娘は夫を無視するようになりました。無理もありません……。それでも夫の食い尽くしは止まりませんでした。
最近では家族の食事に飽き足らず、外でも食い意地を発揮しているよう。飲み会に参加すればあっという間に料理を食べ尽くし、同僚が持ってきたお土産もみんなが手に取る前に何個も取り……まわりの人から呆れられていると聞きました。
娘には無視され、飲み会には誘われなくなり、お土産ももらえなくなったところで夫はやっとことの重大さに気が付いたよう。
そんなとき、夫にとどめをさす出来事が起こりました。
欲張るよりも分け合うことに幸せを…
人の分まで横取りし、食い尽くしていた夫の健康診断の結果は見るも無惨な結果に……。こんなに要注意がつけられた診断結果を見るのは初めてです。
さすがの夫も落ち込んでいました。これでは横取りや食い尽くしどころか、好きなものを食べることすらままならないでしょう。なぜそんなにも食い意地を張ったのか、夫に尋ねると、「人生、食べたいものを食べたい分だけ食べないと損だ」と思ったそう。
そうは言っても、体を壊しては元も子もありません。わが夫ながら情けなくなってしまいました。これにて夫の食い尽くしはなくなり、わが家の食卓は平和になったのでした。
好物はたくさん食べたい気持ちになるかもしれませんが、何事もほどほどがちょうど良いもの。また、一緒に食事をしている人と分け合う楽しさもあるはずです。欲張らず、適度に食べるようにしたいですね。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。