離婚歴がある夫との結婚を決意した私
夫との出会いは職場です。転勤したばかりの職場で、私にとって10歳年上の夫は、困ったことがあればすぐに助けてくれる存在でした。
年の差はありましたが、すぐに惹かれ合うようになった私たち。お付き合いをする前、夫から「離婚歴があり、子どもはいない」ということを打ち明けられ、衝撃でしたが、私はそれを受け入れることに……。
夫は私のことをとても大切にしてくれ、深い愛情を感じました。しかし、結婚前に両親に紹介すると、離婚歴があることにマイナスなイメージを持っていた父は、私を心配するあまり、彼に対して厳しく問い詰めたのです。
「娘の幸せを保証できるのか? 元妻との間には、子どもはいないと聞いているが、本当か?」と厳しい言葉を投げかけました。夫は「子どもはいません。必ず幸せにします」と答え、最終的に両親は私たちの結婚を許してくれました。
子育てに奮闘する中、明かされた夫の過去
私は結婚前に、「子どもが欲しいと考えている。年齢的に、結婚したらすぐ妊活したい」と夫に伝えており、結婚後、不妊治療を経て息子が誕生。初めての赤ちゃんのお世話は大変でしたが、とても幸せでした。夫は泣く息子をあやすことや寝かしつけは苦手で、すぐ私にバトンタッチ。夫も初めての育児なので、仕方ないなと思っていました。
そして、息子が生まれた夏に、初めて遠く離れた夫の実家で過ごすことが決まりました。すると、夫から「実は話がある」と切り出され、「実はバツ2で、前妻の前に結婚していた元妻との間に2人の子どもがいる。子どもたちはすでに成人しており、養育費も払い終えている。このことを話したら、結婚してくれないと思って言えなかった」と驚愕の告白をされたのです。
私は夫の言っていることが理解できず、頭の中が真っ白に。育児に慣れてない夫の姿を見ていたので、息子が初めての子だと信じ、疑いもしませんでした。
家族の未来を守るために決めたこと
夫の実家には元妻との子どもたちの写真が飾られており、元妻の子どもと私の息子の顔がそっくりなので、この写真を私が見たら気づくと思い、夫の実家へ行く前に告白したそうです。夫からは「この他に嘘はない。すまなかった」と言われました。
私はこの事実に衝撃を受け、返す言葉が思い浮かばず、ただ混乱するばかり。結婚に反対していた両親には相談できませんでした。しかし息子のためにも、感情的になって決断するのは良くないと思い、数日間気持ちの整理をすることに……。
後日、私は夫に「離婚も選択肢に入れている。それほどあなたを信頼することに不安を感じている。もし、婚姻生活を続けたいと思うなら誓約書を作り、約束を交わして」と頼みました。夫が承諾したので、私と夫、そして行政書士と一緒に打ち合わせをし、家事・育児の協力、女性関係、金銭面など、夫婦間で紛争が起こり得る内容について誓約項目を決め、破られた場合の離婚の慰謝料や養育費の取り決めをしました。
このように、今後、共に生活する上で必要な決め事を整理し、もし守られない場合は、離婚しても子どもの養育費を確保できるようにし、心の安心材料を備えたのです。
私は息子のために、未来を見据えた選択をしました。夫婦間で誓約書を作成し、口約束ではなく文書にすることで約束事を固く守るという意思表示をしてもらいました。
「次はバツ3にならないように気をつけてね!」と冗談交じりに言った私に、夫は苦笑いしながら、「もう結婚の記録更新はしないよ。これが最後だ」と答えましたが、この先どうなるかはわかりません。ただ、誓約書で交わしたことで改めて夫婦のあり方を再確認できました。
その後、夫は以前より家事・育児を積極的におこなうようになっています。二人で決め事を守り、息子の笑顔が途切れないようにしていきたいです。
著者:門林 りん/30代女性。国際結婚後、不妊治療の末、妊娠。妊娠糖尿病を経て、2024年男の子を出産。海外旅行したときにご当地のタンブラーを集めるのが趣味。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)