食べない!絶対食べない!
4歳の息子はかなりの偏食もち。しかし幼稚園への入学が間近に迫ってきており、給食では嫌だから食べないなんて許されないはずだと思い、どうしたらいいのか悩んでいました。そのため、毎日の食事に、息子が食べないとわかっている食材もアレンジをするなどして出し続けていましたが、嫌がる日々……。なんとか食べさせようとしますが、ほとんど食べずに終わっていました。
そして幼稚園での初給食を控えた前日の夕食のとき、いつものように息子が「食べない! 絶対食べない!」と大ぐずり……。その様子を見ていた夫が「いいかげんにしろよ! うるさいんだよ! 好き嫌いせずに食べろ」と息子に怒鳴ったのです。あまりの剣幕に息子も萎縮し大号泣。さらに夫は「お前が甘やかすからこうなったんだぞ」と冷たいひと言まで……。私はショックな気持ちと、なぜ他人事のように言うんだろうというイライラした気持ちでいっぱいに。しかし言い返したら火に油。さらに息子が泣いてしまうと思い、頑張って堪えることに。大号泣した息子はそのまま泣き止まず、結局ごはんを食べることはありませんでした。
息子が寝たあと、夫に「息子と私への言い方はひどいと思う。怒るんじゃなくて、もっと寄り添って考えてあげて」と言いますが「好き嫌いするのがいけないんだ。どうせ幼稚園の先生にも同じこと言われるよ」とまだイライラしている様子。今は何を言ってもダメだと思い、話しかけることをやめました。
翌日、私は息子が給食を食べたのか、お迎えの際に担任の先生に尋ねてみることに。すると先生は「大丈夫ですよ!」とニコニコ顔で、私はちょっぴり拍子抜けです。どうやら幼稚園では、“苦手なものは一口なめるだけでOK”という方針のよう。苦手なものでも必ず食べさせないといけないとプレッシャーを感じていた私に、担任の先生は「少しずつなめるだけでも十分です」「段階を踏みながら、息子くんに合わせて対応しましょう」と言ってくれたのです。
そのことをすぐ夫に報告。夫はプロに言われたこともあり「え、そうなんだ……。食べないといけないものだと思ってた」と気まずそうです。激怒してから時間がたったことで、夫は冷静な様子。そこで私は「きちんと息子と私に謝ってほしい」と伝えてみることに。すると夫は「息子くん、ひどいことを言って怒ってしまってごめんな」「ママにもひどいこと言ってごめん」と謝ってくれました。そして家でも息子の偏食に付き合ってくれるようになりました。
あれから3カ月ほどたちましたが、今では幼稚園と家で同じ方法で食事をすることによって、偏食もちだった息子が一口食べるところまで成長しました。
「絶対食べさせないといけない」と思い込んでいた私たち夫婦。今度は目の前の息子に合わせたやり方を提示してあげることが大切だと気づいた出来事でした。
著者:関取 祐子/20代・ライター。4歳の息子とゲーム好きな夫の3人家族。やんちゃな息子のお世話に大忙しな毎日。3人でゲームをするのが週末の楽しみ。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年6月)