慰謝料すら支払ってくれない元婚約者と妹。電話もメッセージもブロックされているようで、連絡がつきませんでした。結局、慰謝料と同時に請求した結婚式や新婚旅行のキャンセル費用、そして自分の引っ越し代も、私が一時的に支払う形にするほかありませんでした。
しかし、婚約破棄から半年ほど経ったある日、妹が突然ブロックを解除して「入籍しました~!」と連絡してきたのです……。
ハワイでーす♡
「お姉ちゃんはできなかったけど、私は彼と入籍できましたー!」と連絡してきた妹。いろいろ言いたいことはありますが、とりあえず「まずは支払うべきものを支払ったらどうなの?」と返しました。
「結婚式キャンセルになって残念だったね~w」
「今ハワイで彼と新婚旅行中なの♡」
「彼なら私の隣にいるけど」
「え?」
そう、元婚約者は今青い顔で私の隣にいるのです。ハワイのショッピングセンターで、ばったり出くわしてしまったのです。
私の彼氏について知った妹は…
「じゃあお姉ちゃん、明日私たちの結婚式に来てよ!」「どうせ女1人で傷心旅行してるんでしょ?」と、どこまでも私のことを見下している妹。
「ごめんね、私も彼氏と旅行に来ているの」「つまり、あなたの夫は私と私の彼氏にサンドイッチされている状況なのよね」というと、妹は「何それ!?婚約破棄から半年で彼氏!?」と、私の彼氏の方に食いついてきました。
今の彼氏は、高校時代の同級生。私が結婚式を突然キャンセルした理由を友人伝いで聞いたらしく、「何か手伝えることがあれば……」と連絡してきてくれたのをきっかけに再会したのです。
「じゃあ、2人で私たちの結婚を祝ってよ!」「姉妹で幸せな写真を撮って送れば、パパとママにも許してもらえるかもしれないし!」と妹。しかし、私は過去のことを水に流すつもりはありません。
「ごめんね、明日は彼の別荘でパーティーだから行けないわ」と言うと、妹はまたも別荘の方に食いつきました。「お姉ちゃんの彼氏ってお金持ちなの……?」と聞いてきたので、「自分で事務所を経営している弁護士さんよ」と答えると、「弁護士?!」と素っ頓狂な声を上げた妹。
「私の彼よりハイスペックだなんて……!」「お姉ちゃんが私より幸せになるなんて許せない……」という妹に、「金輪際、お互いに関わるのはやめましょう」「お互いに知らないところで幸せになりましょうね」とだけ告げて、私は電話を切りました。
妹のとんでもない提案
翌日――。
朝から着信音が鳴りやまない私のスマートフォン。妹が鬼電してきているのです。堪らず出ると、「早く出てよ!」といきなり怒鳴られました。
「今日は結婚式なんでしょう?」と聞くと、「だから、その結婚式で新郎を変更しようと思って!」と、妹はとんでもないことを言い出しました。
「お姉ちゃんに元彼返すから、私にその弁護士で金持ちの彼氏をちょうだい!」「私に理想の結婚をさせてよ!」
どこまでも自分勝手な妹に、思わずため息をつきました。「まずは支払うべきものを支払いなさい、話はそれからよ」と言うと、「何をする気……?」と妹。
「私の結婚式と新婚旅行のキャンセル費用、引っ越し代金、浮気の慰謝料を全額耳を揃えて払いなさい」「こっちは彼の伝手で婚約破棄に強い弁護士をつけたから、帰国したらしっかり話し合いましょう」
その後――。
妹と元婚約者は予定通りハワイで挙式したそうですが、帰国後、数週間も経たずに離婚したそうです。妹から泣きの連絡がありましたが、同情の余地はありません。私は、彼氏や彼氏の知り合いの弁護士さんの力を借りて、両者にあらためて支払いを請求しました。
今の彼氏は正義感が強く、曲がったことが大嫌いな人。私よりも元婚約者と妹に対して怒っていました。今回の旅行は妹たちに水を差されてしまったので、慰謝料が振り込まれたらあらためて旅行しようと2人で計画しています。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。