後輩からの贈り物。中を確認してみると…
夫と2人で包み紙を開けると、出てきたのは木箱でした。フタには達筆で「珈琲」と書いてあるのが読めます。開けてみると中から出てきたのはペアのコーヒーカップ。カップとソーサーのセットで、焼き物特有のずっしりとした感触がありました。
後輩の名前が入ったご祝儀袋を確認すると、現金が1万円。私は、結婚式に出席したときのご祝儀は全部現金で渡すものだと思っていたので、現金と品物に分けて贈ってくれた後輩の行動に驚き、困惑してしまいました。
夫と話し合い、品物が一般的なご祝儀と同じくらいの価格帯の物だったら、お祝いの気持ちを受け取り、もしそれ以上に高価な物であれば、お祝い返しを用意しなければということに。
頂いたカップ&ソーサーは、さすがに量販店で買った物ではないことはわかります。しかし困ったことに、夫も私も焼き物の知識がほとんどないのです。これがどの産地の物なのか、価値を調べることもできず悩みました。
思ったより価値がある物かもしれない!
思い出したのは、後輩が山口県の萩市出身だったこと。もしかして萩焼かもしれないと思い、木箱のフタに書かれた窯元の名前で検索をかけてみました。すると同じ窯元の名前がヒット。
その窯元の作家さんについてさらに検索すると、個展を開催したり、展覧会で受賞していたり、数々の経歴が出てきたのです。自分たちが思っていた以上に価値がある物を頂いてしまったのではないかと、夫と急に不安になってしまいました。
ご祝儀の相場以上の価値がある物をもらったらお返しをするべきなのか、現金ではないのでそこまで考えなくていいものなのか……。夫と2人で話していても解決しないので、最終的に後輩に電話で事情を話すことにしました。
判明した予想外の事実とは…!?
正直に「立派な焼き物をもらったのに、自分たちにはきちんとした価値がわからなくて申し訳ない」と伝えました。すると後輩から「実家で焼いた物なので大丈夫ですよ」と衝撃の回答が!
なんとその窯元は後輩の実家だったのです。後輩の実家の事情まではさすがに知らなかったのでびっくり。やはり自分が調べた通りの作家さんの萩焼ではあったのですが、実家で販売用に焼いた物ではないそうで、予想以上の価値があるわけではないことがわかりました。
結局、後輩とは親しい間柄だったこともあり、正直に話すことで気まずくなることはありませんでした。とはいえ、自分の思い込みで、お祝いの気持ちを素直に受け取ることができなかったことを反省。今では頂いた萩焼をコーヒーカップとして愛用しています。
著者:秋本かなこ/30代女性。2019年生まれと2021年生まれの兄弟を育児中ママ。元気な兄弟とパワフルな毎日を過ごしている。
イラスト:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)