ネット掲示板に根も葉もない嘘が書かれ、娘に対する中傷もあったことで、意を決して弁護士に開示請求を依頼した奏さん。
奏さんが弁護士事務所に相談に行った同日、掲示板に悪質な書き込みをする人物が……。その人物は、リズ村リズ。同じバレエ教室に通う自称セレブママで、奏さんとは2年前に知り合いました。
奏さんがシングルマザーだと知ったリズは「可哀想な人だから、やさしくしてあげなきゃね~」とバレエの衣装を貸してあげるなどして、奏さんをサポート。それは単なるやさしさではなく「私は勝ち組だから!」という曲がった考えからくる行動でした。
奏さんにやさしく接するリズですが、周りのママたちは奏さんが気に入らないのか「スーツでお迎えに来るのとか、仕事できますアピールみたい」などと陰口を言い始めます。リズはフォローしながらも、ママたちと一緒になって談笑して……。
シンママを見下す自称セレブママの心の闇
リズは先に帰宅していた夫に家事を命令され不満に思いながらも、「奏さんに比べれば幸せ……私は恵まれているんだから」と自分に言い聞かせます。
その後も、仕事と育児に追われている奏さんのサポートをしてあげるリズ。
「私は恵まれているのに、他人にもやさしいいい人」というキャラを自ら演じていくのでした。
リズの夫は、早く帰ってきているのにも関わらずリズに命令していることから、普段からあまり家事をしない人だということがうかがえます。文句を直接言ってもおかしくはない場面ですが、「自分は恵まれているから」と思うことで気を紛らわしているのでしょう。
セレブママたちと無理に合わせる必要はないはずですが、リズは「上流階級にいるのにおごらず、やさしい人」を演じることで、自分の立場や心持ちを保っているのかもしれません。
裏にどんな理由があるにせよ、やさしくサポートしてくれるリズは、きっと奏にとっても心の支えになっていたことでしょう。
土井真希さんの連載は、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。