意を決して弁護士に相談した奏さんは、誹謗中傷をする犯人特定のために開示請求をすることにします。
一方奏さんが弁護士へ相談に行っているとは思いもしない犯人は、またも掲示板に悪質な投稿をしているのです。
その人物の名前は、リズ村リズ。奏さん親子と同じバレエ教室に通うママです。奏さんとリズが知り合ったのは2年前。
リズは奏さんがシングルマザーという理由だけで、「自分よりも可哀想な人」というレッテル貼り、奏さんを下に見つつも、仕事が忙しい彼女をやさしくサポートしてあげるリズ。
周りのママたちは慌ただしい奏さんが気に入らない様子ですが、リズは「上流階級にいるのに他人にもやさしい良い人」を演じることで、劣等感があるセレブママとの友人関係や亭主関白な夫への不満も飲み込み、自分の心を守っていたのです。
「可哀想なシンママ」の幸せな報告に驚きを隠せず……
リズと奏さんが知り合ってもうすぐ2年が経つ頃のこと。リズは買い出しの帰りに奏さんに遭遇します。奏さんの隣には、リズもときめく見知らぬ男性の姿が。それは奏さんの婚約者だと紹介されたのです。
突然の婚約者登場に、驚きを隠せないリズ。さらに結婚しても仕事は続けると聞かされたリズは、困惑しつつも「頑張ってね」とその場を去るのでした。
リズは、シングルマザーで忙しい奏さんに、まさか婚約者がいるとは想像もしていなかったよう。初見の婚約者を弟だと思おうとしたり、仕事をしていないヒモに違いないと考えたり……「奏さんは可哀想な人」という設定ではなくなることを拒む心の内が見て取れます。
結婚相手は容姿端麗でちゃんとした仕事もしていると知り、リズは嫉妬心が湧き出てしまったのかもしれません。
奏さんはただ婚約者を紹介しただけなので、何も悪いことはしていません。
しかしリズは、忙しくもキラキラと輝く人生を送る奏さんが心に引っかかる様子。
リズには他人と比較せず、自分の人生を謳歌してほしいものです。
土井真希さんの連載は、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。