慣れない内診に不安を感じる方も少なくないと思います。ここでは、内診とは何か、内診の受け方、内診でわかることをお伝えします。内診の内容を理解することで不安が和らぐかもしれません。
内診とは
内診とは、腟の中に指や腟鏡、経腟超音波などの器具を挿入して、直接子宮や卵巣、腟の状態を観察することをいいます。実際の現場では、指を用いた診察を内診と呼ぶことが多いです。
内診の受け方、注意点など
内診の際は、ショーツを脱いだ状態で内診台にあがりますので着脱のしやすい服装がおすすめです。通常は、内診をする医師と診察を受ける人の間にはカーテンなどで仕切りがされているため、顔を合わせることはありません。ただ、子宮口の開き具合などを調べる分娩前の診察では陣痛室(分娩に入る前に待機する部屋)や分娩台の上でそのまま診察することがほとんどです。
また、個人差がありますが内診時に痛みを感じる人もいます。大きく呼吸をしてリラックスした状態をつくり、できるだけ力を抜くようにしましょう。内診の刺激で出血することがあります。大量に出血した場合や出血が長く続く場合はほかに原因がある可能性があるため病院で相談するようにしましょう。
内診の内容と診察でわかること
●婦人科領域の場合
不正出血がある場合やおりものに異常がある場合、子宮がん検診など、症状に合わせて内診がおこなわれます。婦人科領域での内診は、腟腹壁双合診のことをいいます。
腟腹壁双合診では、一般的に人差し指と中指を用いて、腟口、子宮頚部、子宮体部を診察し、その後もう片方の手を腹壁にあて、子宮体部、卵巣や卵管などの付属器、ダグラス窩を診察していきます。
診察の際は、痛みがないか、大きさや形、可動性などを観察していきます。また出血や分泌物がある場合は、正常や量、臭気の有無などを診ていきます。
●産婦人科領域の場合
妊娠中は人差し指と中指を用いて、子宮頚部子宮口の開き具合や柔らかさなどを診察していきます。
妊娠中の内診では、子宮口の開大度や硬さ、子宮口や児頭の位置などを点数化して分娩の進行度を評価しています。これを「ビショップスコア」と呼び、点数が高いほど分娩が進んでいると判断されます。臨月に入ると妊婦健診のときに内診があり、分娩の兆候がないか診ていきます。
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
※参考:ベビーカレンダー「産婦人科の内診とは?目的と内容、服装や痛みなど受ける時の注意点について」〈 https://baby-calendar.jp/knowledge/pregnancy/1070 〉
内診に関する体験談
-
あまり緊張せずにリラックスして内診台に座っていたところ、担当医の「チェックしますね」という声とともに、腟の奥のほうまで指が入り、子宮口を直接指でグリグリと広げるような感覚がありました。心構えがなかった私はビックリ!想像以上の痛みがあったため、「痛っ」と声が出てしまいました。担当医からは「痛いけれどちょっとがまんしてね。すぐに終わるよ」と声をかけられましたが放心状態に。事前に子宮口をグリグリする処置があるということを知っていると、何も知らずに経験するよりも、心構えもできるかと思います。正期産の時期に入ると、内診の結果によってはこのような処置をおこない、陣痛につなげていく医師も多いと聞きます。長くても数十秒の処置ですので、できる限りリラックスして処置を受けられるといいですね。「子宮口グリグリ」をするということは、赤ちゃんに会える時期が近いということ。そう思うと、この痛みも乗り越えられると思います!(岩田かおるさん)
-
妊婦健診でいちばん苦痛に感じたのが内診です。慣れないうちは体が緊張して固まってしまい、痛みを感じていましたが、回数を重ねるごとに内診をじょうずに受けるコツを習得しました。まず、両手をひじかけに置きます。そして診察のタイミングに合わせて息をフーッと吐く。そうすることで全身の力が抜け、リラックスしやすいと感じました。体に力が入ると痛みを感じやすかったので、できるだけリラックスすることが内診のコツですよ。(田中由惟さん)
慣れない内診に不安を感じたり、緊張してしまうこともあると思いますが、どんなことが分かるのかを知っておくことで、少し不安も和らぐのではないでしょうか。内診を受けるときは大きく深呼吸してできるだけ力を抜き、リラックスした気持ちで受けましょう。