高熱の娘と私を置いて、夫は…
生後11カ月の娘が、朝方に39度近くの高熱を出しました。私も39度の発熱と下痢で苦しかったのですが、夫は「夜遅くまで仕事だから」とひと言。体に鞭を打って病院まで行くと、アデノウイルスだと診断されました。
嘔吐で汚れた娘の服を洗い、離乳食をあげて、ようやく娘は落ち着いて寝てくれたころ、日付が変わろうかという時間に夫は静かに帰ってきました。「おかえり」と声をかけてリビングにいくと、なんと酒臭く、顔を赤くさせた夫の姿が。しかも「同僚と盛り上がって〜、6杯もビール飲んじゃったよ〜」と上機嫌で言ってきたのです。その姿に驚いた私は「仕事じゃなかったの?」と問います。夫は「早く終わったから飲みに行こうってなったんだよ~、楽しかったな~」と言うではないですか! 家では娘と私が苦しんでいるというのに……。とイライラしましたが、具合の悪い私は言い返す元気もなく、その日は涙で枕を濡らしました。
次の日、娘も私も薬のおかげですっかり熱が下がり、あとは鼻水が少し出るくらいです。夫がなかなか起きてこないと思って見に行くと、青い顔でうずくまっていました。結局アデノウイルスにかかった夫は発熱・下痢ともに家族の中で一番長く症状が続き、3日ほど苦しむ羽目に。私は「嘘をついてまで飲みにいくからだよ」とズバッと言います。夫は最後まで「仕事はちゃんとしたんだ! 俺は悪くない……」とボヤいていましたが、ともあれ身をもって病のつらさを知ってもらえてよかったです。
後日、回復した夫と話し合うことに。私は「家族が辛いときに飲みにいくことはやめて」と改めて注意。夫は「……ごめんなさい。ただの風邪だと思っててさ、あんなにつらいとは思わなかった……。次からは看病する」と約束してくれました。感染症などで家族がダウンしたときは、家族全員で協力していかなくてはならないと夫と確認しあうきっかけとなった出来事です。
著者:村井あずき/20代・ライター。音が鳴るおもちゃが大好きな生後11カ月の女の子を育てるママ。夫と2人で初めての育児に奮闘中。娘と一緒に絵本を読むのが大好き。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)