掲示板に悪質な投稿をしていたのは、奏さんと同じバレエ教室に通う主婦リズ村リズでした。リズは奏さんのことを「シングルマザーで可哀想な人」と見下していますが「恵まれている私がサポートしてあげている」と思い、自らすすんでサポートしていました。
買い物帰りのリズは、見知らぬイケメン男性と一緒に歩く奏さん親子に遭遇します。
奏さんに婚約者だと紹介され「結婚後も仕事を続けていく」と言う奏さんに対し、「散々やさしくしてあげたのに男作る時間はあるのね……」と納得いかない様子。
リズは奏さんが結婚することを、ママ友と夫に勝手に話します。ママ友とは「娘への虐待」「男性は娘を狙っている」などと話が盛り上がりましたが、夫には「子どもがいても再婚していいだろ?」「お前が勝手に世話焼いてただけだろ?」と正論を突き付けられ、苛立つリズ。
さらに「くだらないこと考えずに、お前もパートしたらどうだ?」と夫から持ち掛けられ、自分のことを「まぁまぁ裕福なセレブ」だと思っていたリズは、ますます憤りをあらわにします。
単なるストレス発散のはずが…
怒りが収まらないリズはついに、ネット掲示板に奏さんの悪口を書き込むことでストレス発散をするようになりました。奏さんを擁護する意見もありましたが、リズの言い分に同調してくれるコメントを見るたび、快感を覚えてしまいます。
書き込みはどんどんヒートアップしていき、やがて隠し撮り写真まで投稿するように……。悪口を投稿することに没頭するリズは、次第に子どもの呼びかけも聞こえず、家事もままならない状態が続いてしまいます。
リズにとってネット掲示板への誹謗中傷の書き込みは単なるストレス発散で、相手を直接責めることもない平和的な方法だと思っていたのでした。
ついにリズは禁断の一歩を踏み出してしまい、奏さんの悪口や事実無根の内容を書き込むようになってしまいましたね。悪口だけに留まらず、隠し撮りもするとは何とも悪質極まりないやり方。
子どもの呼びかけにも気づかず、家族も家のことも後回しになり夢中になってしまっては、本末転倒です。これが平和的なストレス発散方法と考えるのは、世間を甘く見過ぎでしょう。ストレス発散をするなら他人を傷つけない方法で実践してほしいものです。
土井真希さんの連載は、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。