私のおかずを食べ尽くす夫
夫の食行動がおかしいと気が付いたのは、結婚して間もなくのことでした。おかずの大皿を置いておくと、自分が好きなおかずだけを私の分まで全部食べてしまうのです。逆に、嫌いなおかずには一切箸をつけません。
「食べないで! 私は好きなものはあとで食べたいタイプなの!」と抗議しても、その場は謝ってくれるのですが、何度言っても同じことを繰り返してしまうのです。お皿を私と夫の分で別々に盛り付けても同じことを繰り返すので、分けてももうどうしようもない、とあきらめて過ごしていたのですが……。
息子のおかずまで食べ尽くす夫
子どもが生まれ、3歳くらいになるとと、なんと夫は子どものお皿のおかずまで勝手に食べるようになってしまったのです。もともと食が細く、食事が遅い息子。息子があまり食べないのをいいことに、横から勝手にパクッ!
少食の息子のために栄養バランスやカロリーを熟慮したうえで食事を作っている私にとって、こんなに腹立たしいことはありません。ある日、夫が息子のからあげを勝手に食べようとしているのを見て、とうとう堪忍袋の緒が切れた私は、抗議しようとしました。すると……。
息子の一喝
「パパ、どろぼうはやめて?」。突然息子が言いました。普段は何も言わないのですが、この日は好物のからあげが取られそうになったからか息子がついに声を上げたのです。「ど、泥棒? 違うよ! いらないと思って、それで……」。夫があたふたと言い訳すると、「食べていい?って聞いてないよね? それってやっぱりどろぼうだよ!」。と、息子はきっぱりとした口調で言い放ったのです。「ごめんなさい……」夫は謝罪し、しばらくうなだれていたのでした。
息子の一喝があった後、夫はごはんを食べるとき、おかずがどんなお皿に盛られていても「これ食べてもいい?」と必ず聞くようになりました。“泥棒”という言葉に動揺し、深く反省したようです。どうせ変わらないだろう、と思って半ばあきらめていた私ですが、私の代わりに夫を変えてくれたのは、小さいけれども逞しくなった、からあげ好きの息子だったのです。
著者:木下うめ子/30代女性。2018年生まれの双子ママ。自閉症の双子のサポートに日々奮闘中。管理栄養士の資格を持っており、食べることが大好き。
作画:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)