予想外の進行と驚き
初めての出産は、出産予定日を10日以上超過し、入院となりました。破水したものの、陣痛が来ず、翌日には陣痛誘発剤を使用することに。初産なので陣痛の痛みも想像がつかず、私はただ恐怖だけが先立っていました。
陣痛誘発剤を使い始めると、確かにおなかが痛くなってきたのですが、劇痛というほどではなく、我慢はできる程度で……。助産師さんに「これが陣痛ですか?」と尋ねると、おなかの張りや陣痛の波を確認するモニターを確認してくれていた助産師さんが笑顔で「まだ全然、陣痛じゃないですね。もっと叫ぶぐらいの痛みが来ますよ」と返されました。
そのまま3・4時間が経ち、陣痛誘発剤の処置も夕方には終了。痛みは続いていたものの、助産師さんたちは「まだ前駆陣痛だ」と繰り返し、私も自分で「まだこれぐらいなら大丈夫」と納得。翌日、再び陣痛誘発剤を使う前に、子宮口の開き具合を確認することになりました。
そのとき、助産師さんが「あれ?」と驚いた表情を浮かべ「え、もしかして全開してる?」という言葉に、私自身も驚きました。まだ耐えられる痛みだったので、まさか全開大しているとは思わなかったのです。
助産師さんも「あれ? 全開? どういうこと? えっ? 痛くないの? なんで〇〇さんそんなに平気そうなの?!」と混乱し、別の助産師さんや先生を呼んで確認しました。結果、やはり全開大しており、すぐに分娩室へ移動。分娩台に上がってからはあっという間で、1時間もかからずに赤ちゃんが生まれました。
私があまりに冷静で痛がる様子が少なかったため、助産師さんたちは驚きを隠せなかった様子。「あのときの◯◯さん、すごく平気そうでびっくりしましたよ」とあとから言われ、初産にもかかわらず、自分でも不思議な体験をしたと感じました。
初めての出産で、痛みへの不安が強かったものの、予想外に冷静に進行してしまったことにより、助産師さんたちを驚かせた私の出産体験。人生で一度きりの瞬間は、思いもよらぬ形で幕を閉じました。
著者:高橋 ゆり/40代女性/2021年と2023年生まれの2人の女の子のママ。子育てを趣味にしつつ、同じコロナ禍で出産したママたちとコミュニティを形成して子どももママも楽しく過ごせる環境を模索中。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)