草が伸び放題の庭が気になり
おおらかな性格の夫と、少しだけ神経質な私。専業主婦だったこともあり、庭の草取りは毎年私ひとりでおこなっていました。でも第1子出産後は育児が大変で、長時間家事に集中することもままならず、思ったようにこなすことができずにいました。
そんなときにどうしても気になってしまったのが、ぼうぼうに伸びていた庭の草です。夫はおおらかだからなのか、庭の草があまり気にならない様子。でも私は我慢できなくなり、夫に「庭の草がだいぶ伸びてきちゃったから、草取りしてもらっていい?」とお願いしました。
夫は草取りの経験がないものの、一言「わかった」と返事をしたため、普段私がおこなっている作業を理解しているのだと思い、安心して任せることにしたのです。
安堵の後、絶望
お願いした後は「これできれいになる」という安心感からか、子どもと一緒にお昼寝していました。しばらすると夫が家の中に入ってきて、起きた私に「草取り終わったよ」と声をかけてくれました。お礼を言い、庭を確認しに行ったら、何かがおかしいのです。よく見てみると、すべての草が抜かれ、土が露出していました。
うちの庭は全面夏芝に覆われているので、芝の間から出てきていた雑草を取り除き、伸びてしまった芝を短くすることをお願いしていたつもりでした。しかし、夫は芝だろうが雑草だろうが気にせず、すべての「草」を抜いてしまったのです。その事実を目の当たりにした私は、口があんぐり開いてしまいました。「草取りをお願いしたけど、芝がどれだかわからない?」と聞くと、「わからない」と答える夫……。
確かに私は、雑草だけ抜いて芝は短く刈ってねと具体的にお願いしたわけではありません。でもそのくらいは伝えなくてもわかるかなと思ったのですが、夫には通じなかったようです。悲しいやら悔しいやら、事細かに説明しなかった自分への怒りやらで頭の中がぐるぐるしましたが、起こってしまったことは仕方がない。抜いた芝は戻ってきません。
それから3年後くらいに、残っていた芝の根っこから再生してくれ、庭は緑色を取り戻してくれました。芝生の生命力の強さに感謝です。今も主人は芝と雑草の違いがわからないようなので、それまでと同じく私が草取り係になっています。自分が思っていることはきちんと言葉にしなければ伝わらないこともあると勉強になった夏でした。
著者:宮本美亜/40代女性/不妊治療を経て、2011年長男出産、自然妊娠で2012年長女を出産。職業は不動産事務。資格取得を目指し、宅建と簿記の勉強中。
作画:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)