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「力が入らず、ろれつが回らない」結婚式場で倒れた私。救急車で搬送され緊急手術!突然襲った病魔とは

知人が55歳のころの話です。知人には子どもが3人おり、そのうちの2人が1カ月違いで結婚式を挙げました。「やっと子どもたちの結婚式が終わった」とホッとするのもつかの間、次はおいっ子の結婚式が3カ月後に迫っていました。そしておいっ子の結婚式当日、バスで5時間かかり式場に到着し、持参した着物に着替えているときに知人に病魔が襲いかかります。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師菊池大和先生
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長

地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
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楽しみにしていたおいっ子の結婚式

知人が55歳のころ、子どもたち2人の結婚式が無事に終わり、ホッとしたのもつかの間、すぐにおいっ子の結婚式に参列することに。おいっ子は知人の兄の子どもで、「おばちゃんおばちゃん」と知人に懐いていたこともあり、幼いころからかわいがっていました。知人はおいっ子の結婚式を心から楽しみにしており、結婚式当日が待ち遠しかったそうです。

 

知人は当時、月曜日から土曜日の週6日、朝から晩まで働いていました。他にもさまざまな行事の役員を務めるなど、忙しい日々を送っていたそう。おいっ子の結婚式前日も、夜まで仕事をしていたそうです。

 

結婚式当日の朝、準備を済ませた知人家族は結婚式場行きのバスに乗り込みます。結婚式場はバスで5時間かかる場所にありました。バスの出発時間が朝早いことや移動時間が長いこともあり、知人は着物を持参し、式場で着替えることにしていました。昼前に式場に到着し、親戚などにあいさつを済ませて、知人の母や親戚と一緒に更衣室へ向かいました。

 

更衣室で着替えていたら、突然…

知人のおいっ子の結婚式当日は真冬の寒い日だったそう。なかなか更衣室が見つからず、しばらく冷たい廊下を行ったり来たりしていた知人たち。やっと更衣室を見つけることができました。

 

更衣室には暖房が入っているものの、着替えるには少し寒く「ちょっと寒いね~」と言いながら、みんなで着替え始めます。知人も服を脱ぎ、長襦袢(ながじゅばん)を着ようとしたときに、急に気分が悪くなり立っていられなくなりました。周りの方に介抱してもらい、なんとか椅子に座ります。たまたま更衣室には人がたくさんおり、みんなが心配して気を配ってくれたそう。

 

しかし次の瞬間、急に左半身に力が入らず、左側にバタンと倒れ込むように椅子から落ちてしまったのです。口にも力が入らずろれつが回らない状態で、症状を伝えたくても伝えられずパニックに。周りの方もその光景を見て驚き、急いでフロントに救急車を呼ぶようにと連絡してくれたそうです。左半身が完全に動かなくなった知人は、おいっ子の結婚式どころではありません。

 

知人が倒れたことで更衣室はパニックに。結婚式の参列者にも、知人が倒れた話が広まっていきます。もちろん新郎新婦にも話は伝わっていました。偶然にも知人のおいっ子のお嫁さんは看護師で、参列者の中にはたくさんの看護師がいました。その看護師たちが知人の元に駆けつけて、知人を見て「脳に問題がありそう」と判断し、適切な処置をしてくれたそう。その後すぐに救急車が来て、知人は病院に運ばれていきました。

 

 

「不幸中の幸い」な出来事

結婚式場の近くにある大きな病院に救急車で運ばれた知人。結婚式当日は日曜日。しかし幸いなことに、その日は脳専門の医師が当番医だったのです。

 

検査を受けた結果、診断名は「右脳の脳梗塞」。原因は不明ですが、右側の脳の血管に血栓が詰まり運動障害を引き起こしていたのです。知人はすぐに緊急手術をすることに。「もし対応が遅れていたら命が危なかったし、後遺症がかなり出る可能性があった」と医師から言われたそう。式場に看護師が複数名いて適切な処置をしてくれたこと、救急車が早く到着したこと、近くの病院に脳専門の医師がいたことで、処置が早くでき一命を取り留めて、さらに後遺症が軽度で済んだと言います。

 

知人は自宅から遠く離れた場所で、突然に入院生活が始まりました。見ず知らずの場所での入院生活はとても不安だったそう。しかし入院中に家族や親戚がお見舞いに来てくれたことが心の支えになっていたそうです。

 

入院中はずっと、おいっ子の結婚式に参列できず、おいっ子に迷惑をかけてしまったことに申し訳なさを感じていたと言う知人。知人のおいっ子夫婦も何度かお見舞いに来てくれたそうです。その度に「ごめんね」と謝ったと言います。結婚式の写真を見せてもらって改めておいっ子夫婦に「おめでとう」を伝えられた知人でした。

 

治療とリハビリのかいあって、徐々に症状が回復し、話すことも歩くこともできるようになった知人は、約2カ月の入院生活を経て無事に退院しました。

 

まとめ

脳梗塞を患い、「気付かないうちに無理をしていたのかな。おいっ子には申し訳ないけれど、命が助かって本当によかった」と語る知人。おいっ子の結婚式に参列できなかったこと、おいっ子に迷惑をかけてしまったことに今でも罪悪感を感じているそうです。

 

知人は現在、左手に少しまひが残っているものの、日常生活に支障はなく元気に暮らしています。私は知人の命が助かってよかったと心から思います。これからも無理をせずに過ごして欲しいです。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:小柳 百合/20代女性。やんちゃな兄妹の子育てに奮闘する、元看護師ママ。趣味は温泉巡りと手帳タイム。子どもの寝かしつけ後に温泉のリサーチと、手帳を書くのが楽しみ。

イラスト/あさうえさい

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)

 

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