同居話が持ち上がり…
話が進む中、長男嫁から電話が入り、具体的なお試し同居の日程調整が始まりました。終わりごろ、嫁が笑いながら言いました。「ほんと、今どき同居を提案する息子なんていませんよ、お義母さんって恵まれていますよねー。私も助かります、お義母さんになら安心して家事も頼めるし、家賃も折半すれば……」と何やらブツブツ言っています。
私は、どうやら彼女が家事全般を私に押し付けようとしているのを感じつつ、それでもお試し同居を決めた理由を説明しようとしました。「今回の同居は、息子を自立させる目的でもあるのよ」
「え、どういうことですか?」と驚く嫁。
「息子は、私の年金が6万で心配だって理由で同居を提案してきたけれど。私はむしろあの子の散財癖のほうが心配なの。だから最後の教育だと思って同居をしてみようって」
すると嫁の声色が一気に変わりました。「ちょっと待ってください。そんなの聞いていない! 今、年金6万って言いました?」
「ええ、そうよ」。私が肯定すると、冷たい返答があったのです。
「それなら、同居に関しては一旦白紙で。また後日連絡します」
嫁が手のひら返し!
数日後。長男嫁から、「夫はなぜかまだ同居にこだわっているようですが……」という前置きで始まるメッセージが届きました。
「お義母さんの年金って月6万ですよね?」
「生活面で頼られたくないんで絶縁でお願いします」
「わかったわ、さようなら」
あまりの言い草に私はあ然。「同居しないだけじゃなくて、絶縁?」と返信すると、「はい。老後の面倒まで見ろって言われても困るんで。今だって、6万円しか増えないのに同居だなんてあり得ないでしょ」と言うのです。
私は抗議する気力も失いました。「それなら二度と私に関わらないで。息子にもそう伝えてちょうだい」
嫁からのメッセージは、「当然です。私たち、二度とお義母さんには会いに行きませんから」という短文だけでした。
実のところは?
それから1週間後……。「お義母さん! 夫に毎月10万円もお金を渡していたって本当ですか!?」
ものすごい勢いで嫁から電話がかかってきました。「ええまあ。こう見えても私は、受給年金は6万だけど、他にもいろいろ貯金があるのよ。投資で成功もしているからね、困らないだけの財産はある」
しどろもどろの嫁は、「お金があるって何で言ってくれなかったんですか? お義父さんの遺産もほとんどなかったのに」と半泣き。そして、「同居の件やっぱり進めましょう?」とすがってきたのです。
「あら、また急に手のひら返し? やっぱりお金目当てなのね? だから言いたくなかったのよ」。私はため息をついて、状況を説明しました。「私、次男夫婦が住んでいる町に引っ越すわ。もうマンションも買ったし。毎月私からの10万を当てにして遊びほうける長男には愛想が尽きた。浪費家の嫁にもね」
「え……」
「あなた方、2人で借金までしてセレブ暮らしを気取ってきたそうじゃない。ともかく、私があなたたちに老後の面倒を頼ることはないから安心しなさいな。約束通り絶縁しましょう」
それからすぐ、私は次男夫婦が住んでいる地方へ引っ越しをしました。もちろん長男夫婦の連絡先はすべてブロック。彼らは現在、お金でもめた挙句、離婚の協議中だとか。今後は、毎月の10万円で自分の第三の人生を豊かにしたいと思っています。
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息子も息子なら嫁も嫁。どちらもお金目当てで計画した同居でした。下心ありの関係では、遅かれ早かれ縁を切ることになっていたのかもしれません。長男の自立のためにも援助をやめ、自分にお金を使うようにしたのはきっと正解ですよね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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