仕事中にいきなり「お義姉さんには私を説教する資格なんてないよね!」「もう今日からこの家には入れてあげないから!」と連絡をよこしてきた義妹。
詳しく事情を聞いてみると、わが家に置いてあった通帳を発見したそうで……?
通帳の持ち主
「お義姉さんの通帳見たけど残高285円?」
「仕事してるくせにめっちゃ貧乏でウケるw」
「その通帳、誰のだと思ってる?」
「え?」
わが家に義妹が転がり込んできたあと、私は自分と夫の通帳を鍵付きの金庫に入れておいたのです。二重ロックをかけているため、義妹に勝手に見られることはありません。
唯一、鍵なしの引き出しに保管していたのは義妹本人の通帳。夫が義実家から預かってきたものです。
「ほんとだ……私の名前が書いてある!」「えっ、これが私の今の全財産なの!?」と義妹。そもそもフルタイムで働いていて、夫よりも稼ぎの多い私の残高が285円なわけがありません。
「ちゃんと私を家に入れてくれる?」「そして、そろそろ本格的に仕事を探したほうがいいわよ」と言うと、義妹はしおらしく「はい……」と返事をしたのでした。
こりない義妹
1週間後――。
ことの経緯を知った夫からもこってり絞られ、しばらくおとなしくしていた義妹。そんな義妹から、「そろそろ仕事を探そうと思って……」と切り出されたのですが、続く言葉に私はあ然としてしまいました。
「だからね、まずは30万貸してくれない?」
目をまん丸にしていると、さらに義妹は続けて「仕事を探すならまずはそれなりのバッグが必要じゃない?」「しっかりしたものを持ってると、採用の人にも信用されやすいと思うし!」「しかもこのタイミングで私の大好きなブランドから新作バッグが出たの!」と言ってきました。
義妹は心から反省なんてしていなかったのです。それどころか、「仕事探し辞めてもいいの?私がこのままニートでもいいの?」と脅して大金をせびってくるのです。
就活にブランドバッグは必要ないと言い聞かせたものの、義妹は聞いてくれません。それどころか、「新作バッグほしい~!」「来月同窓会もあるし、新作バッグ持っていきたいの~!」と子どものように駄々をこね始めました。
「こんなにお願いしてるのに!このドケチ嫁!」「いいもん、お兄ちゃんにお願いするから!」と言う義妹。「ついでにあんたにいびられて、働く元気がなくなったって言おうかな」とにたりと笑ったのです。
義妹に喝を入れた人物
「言ったところで、僕はお前にお金は貸さないし、なんならこの家から追い出すぞ」
私と義妹のやり取りに割って入ったのは、夫でした。私たちの口論の最中に帰宅して、リビングのドアの向こう側で様子をうかがっていたそうです。
「僕の前では涙ながらに謝ってくれたのに……あれもその場しのぎだったんだな」「父さんや母さんとも相談して、お前は叔父さんの農園で住み込みで働いてもらうことにしたよ」「金銭管理も叔父さんに任せてあるからな」
「叔父さん」のワードで、ぶるりと震えあがった義妹。夫の叔父は礼儀や行儀に大変厳しい方なのです。
「お前が妻に対して取った言動もすべて叔父さんには伝えておいた」「甘やかされすぎて腐ったお前にはちょうどいいだろ?」と言う夫の脚にしがみついて、「お願いだからやめて!」「ちゃんと仕事を見つけるから!」「最後のチャンスをください!」と泣き叫ぶ義妹。
しかし、夫は「もう決まったことだ」とかたくなに取り合いませんでした。
その後――。
義両親により、叔父の家に連れていかれた義妹。いまは厳しい叔父さんの農園で、住み込みで働いています。
情が残っているようで、夫は時折叔父に電話して義妹の状況を聞いています。「あの図々しさや金銭感覚が少しでも直っていればいいんだけど……」と言っていました。
夫には言えませんが、義妹の性格は5年やそこらで直るものではないと思っています。またうちに転がり込んでこないように、私はひそかに対策を始めておこうと思います。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。