保健室で当たり障りのない会話をしていると、保健室の先生が幸太郎くんの手のケガに気付き手当をし始めます。先生の「大変だったわねぇ、幸太郎くん」というひと言で緊張の糸が切れ、祖父母の秘密を、家庭の事情を全て話したい、でも話してしまったら祖父母は逮捕されてしまうのでは……。と葛藤するのでした。
そのとき、保健室の隅から先生を呼ぶ声が。他にも生徒がいたことに気づく幸太郎くん。数分後、先生が戻ると「ここれはね、誰にも言えないことを相談していく子もいるの」と話します。この言葉に幸太郎くんは「僕の話も……誰にも言わないでくれますか……?」と決心するのでした。
保健室の先生に……裏切られた!?
保健室の先生に祖父から暴力を振るわれていることを打ち明ける幸太郎くん。話を聞いた先生は動揺しながら「誰にも言わないから、先生には詳しく教えてくれる……?」と話を聞き出そうとします。すると幸太郎くんは「秘密は守られる」という安心感からすべてを打ち明けるのでした。しかし、幸太郎くんの知らないところで、保健室の先生が幸太郎くんの担任の先生へ「家族から虐待を受けている」と報告をしていたのでした。
保健室の先生にすべてを告白した2日後、帰宅しようとする幸太郎くんを保健室の先生、担任が呼び止めます。そして「実は…幸太郎のおうちのことで、また少し話がしたいんだ」と担任の先生が切り出します。続けて「体の傷についても…おじいちゃんたちのこと、色々聞かせてほしい」と言います。この発言にハッとした幸太郎くん。「誰にも言わない」と約束したはずの保健室の先生を見ると、目を逸らされてしまうのでした。
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虐待を発見した者には通報の義務があります。保健室の先生がとった行動は仕方ないことなのだとは思います。しかし、「秘密は守られる」と安心しすべてを告白した幸太郎くんは裏切られたと思ってしまったかもしれません。どうか、先生が幸太郎くんを守るためにしたことだと理解できるよう、周りの大人たちが、しっかりケアしてくれることを願います。