夫と同じ会社に勤める友だちから、「単身赴任先でがんばっているときに悪いんだけど……」と連絡を受けた私。申し訳なさそうに教えてくれたのは、夫の浮気でした。
私が単身赴任先に行ってから、夫と連絡が取れない時間が増えていました。最初のうちは心配で仕方なかったのですが、「もしかして、浮気では……?」と女の勘が働いたのです。悲しいことに、それは当たってしまいました……。
友だちの協力
どうやら夫は、私の友だちが同じ会社にいて近くで見ていることに気付いていない様子。結婚式で顔を合わせた程度なので、覚えていないのでしょう。
友だちによると、最近の夫は社内でも堂々と不倫しているそう。浮気相手と一緒に社員食堂でランチをして、親密そうな雰囲気を醸し出しているようです。社内中の噂になるのも仕方ありません。
「こうなったらなんでも手伝うわ!」と言ってくれる友だちに、私は夫の浮気の証拠集めをお願いしたのです。
夫の嘘
2カ月後――。
「頼む!俺と別れてくれ!」と突然連絡をよこしてきた夫。
「実は俺には心の彼女がいるんだ」「彼女と恋人みたいなメッセージのやり取りをするだけで十分だったんだ」「本当にずっと心の浮気だけだったんだけど、酒の勢いもあって、ついに一線を越えてしまって……」
友だちから事実を聞いている私は、笑い出したいのを必死にこらえながら「嘘でしょ……」「仕事をがんばっている私が大好きだって言ってたのに、裏で私のことを裏切っていたなんて……」と返しました。
「彼女が妊娠したから責任を取ることにした」
「俺よりも稼いでいるし1人でも大丈夫だよな?w」
「は?別れるわけないじゃん」
「え?」
夫のような浮気男と夫婦なんて、最悪です。しかし、ここで離婚したら夫と浮気相手の思うツボ。何より、嘘をついて最低限の責任だけで逃げようとしている夫に腹が立ちました。
「心の浮気とか、たった一度だけの関係とか……嘘ばっかりついてるんじゃないわよ!」「こっちにはあんたたちの浮気証拠が全部そろっているんだからね!」
そう言って、私は友だちから聞いた浮気相手の情報や社内での様子を事細かに語りました。さらに、自宅に仕掛けたカメラの動画があることを告げると、夫はおろおろ。
「あなたは浮気しただけじゃなくて、最後まで嘘をついて誤魔化そうとした」「そんなあなたに私はさらに傷ついたの」「私の出した条件にうなずくまで離婚は絶対しない」
先回り
1週間後――。
「お前が納得するまでなんて待っていられるか!」「もうこっちで勝手に離婚届を出したからな!」と夫から連絡が……。私の同意なく、そして私のサインを捏造して離婚届を出すなんて……。
「俺の全財産を振り込んだから、慰謝料はそれで勘弁してくれ」と続けて言われ、ネットで口座を確認してみると……振り込まれていたのはたったの50万円。私が請求している慰謝料の半分にも届かない金額でした。
「俺はもう彼女と生きていくことに決めたんだ!」「仕事もやめたし、こっちの部屋は解約しておいたから、これでもう俺の居場所なんてお前にはわからないだろ!」
勝ち誇ったように言う夫に、私はため息をつきました。
実は、数日前に友だちから「あなたの夫も浮気相手も、退職届を出していたよ」「このまま駆け落ちするんじゃないかって社内で噂になってた」との情報をもらった私。義両親に事情を話して、夫の居場所がわかったら教えてもらえるように言っておいたのです。
すると、義両親は「つい先日、息子から新しい部屋の保証人を頼まれてサインした」「息子からは嫁と暮らすとしか聞いていない」と答えてくれたのです。事実を知るや否や、義両親も私の味方に。新居に引っ越したタイミングで話に行くと言っていました。
「勝手に離婚届を出すのも犯罪だし、全財産が50万円っていうのも嘘でしょ?」「週末には私もそちらに帰るから、ご両親も浮気相手も交えて、みんなで話し合いましょうね」「その場で私が希望した慰謝料を全額支払って、ご両親に浮気についてすべて説明してくれるならその場で離婚に同意するけど、嫌なら離婚協議に突入よ!」
そう言うと、夫は「なんで全部お前にバレてるんだ……」とブツブツつぶやいていました。
その後――。
結局、私は相場よりもはるかに高い慰謝料を一括でもらい、その場で離婚に応じることに。そこから友だちに謝礼金を渡しました。
今度、嘘をついてばかりの元夫との縁切りを祝して、友だちと2人で高級焼肉に行くつもりです。いつも味方でいてくれる友だちは、一生大事にしていこうと思っています。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。