こんにちは、助産院ばぶばぶのHISAKOです。母乳育児の悩みでよく聞くのが「浅吸い」。乳首が痛くなったり母乳不足の原因ともいわれているため、ママにとってはなんとかしたいと思っている人も多いと思います。
浅吸いはどうしていけないの?
赤ちゃんのお口を大きく開いて、上くちびるが内側に巻き込まないように乳輪から深くくわえて授乳するのが正解です。
ですが、おちょぼ口で乳頭はくわえているけど、乳輪はくわえられていない、いわゆる「浅吸い」をする赤ちゃんがいます。浅吸いは乳頭に負担がかかり、亀裂や水疱などの乳頭トラブルの原因になります。有効な吸い方ではないために十分な母乳を飲むことができないので、赤ちゃんの体重が増えないという経緯をたどるのが通常です。
浅吸いでもトラブルがない場合も
でも、なぜだか浅吸いなのにしっかりと体重が増える赤ちゃんがいます。ママの乳頭も無事で、母も子もとくに困ったことはありません。
理論上では浅飲みはデメリットばかりでメリットはひとつもないので、授乳している姿を助産師に診てもらうと「もっと乳輪から深くくわえさせないと、おっぱいトラブルの原因にもなるし、赤ちゃんはろくに飲めなくて体重が増えない。いいことなにもないよ!」と指導されるのが関の山でしょうか。
赤ちゃんが自分で調節している!?
子育ては、いつもいつも「理論」は当てはまりません。乳頭トラブルが起きていないのなら、浅吸いでもいいのではないでしょうか。
赤ちゃんがすくすく育っているのなら浅吸いに何か問題あるでしょうか? 出過ぎおっぱいだったり、ママの乳管が太い場合、しばしば赤ちゃんが浅吸いをすることがあります。乳輪のところから深く吸い付いたらとんでもない量の母乳の濁流が一気に口の中に押し寄せてくるので、赤ちゃんはむせかえって、過剰な母乳で溺れてしまいます。だから、あえて浅めにくわえることで流れてくる母乳量を調節しながら、適量を快適に飲めるように自ら工夫しているのかもしれません。
もしくは、乳頭が長めのときにも赤ちゃんは浅吸いします。乳輪からくわえたら、乳頭は赤ちゃんの喉の奥をツンツン刺激することになります。これじゃ飲めませんね。それから、乳輪がとても柔らかい場合にもくわえこんだらフワァ~と潰れてしまって浅吸いになってしまいます。
普通に考えたら浅吸いはよくないけれど、場合によってはアリですね!
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。