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「え?手術?」うまく付き合ってきたはずの病気が再発し手術することに。上司に伝えられなかった病名は

20代のころから小さな痔があった私。一度肛門科を受診したことがあったものの、処置をするほどの状態ではないと言われ、そのままにしていました。39歳のとき、寒さとストレスで痔が悪化。元々、便秘気味だったことも災いしたのかもしれません。以前に比べ、痔そのものの状態も悪化しており、とうとう手術することに……。そんな私の治療体験談をお話しします。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師里村仁志先生

里村クリニック院長(埼玉県さいたま市南区大谷口5320-1)。消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。
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20代のころから「いぼ痔持ち」だった私

20代のころ、便秘に悩まされていた私は排便時にいきむことがしばしば。便も固く、肛門周辺が傷だらけになっていることが、自分にとっては当たり前でした。

 

ところがある日のこと、肛門の外側にこれまで感じたことのない違和感が……。自分ではよくわかりませんが、どうも小さいおできのようなものができている様子でした。これまでとは違う肛門の様子に「何か悪い病気なのでは……」と急いで肛門科を受診することにしました。

 

不安げな私に、医師は「小さないぼ痔がある」とひと言。安心感とともに、何か人には言えない秘密を抱えてしまったような、どこか不思議な気持ちになりました。

 

幸いにもすぐに処置が必要な状態ではなく、便秘予防にこまめな水分補給をおこなうことと冷えに気を付けることを指導され、初めての肛門科デビューは幕を閉じることに。その後、再び肛門科にお世話になるとは、当時の私は知る由もありませんでした。

 

冷えと便秘で痔が急速に進行!

タブレットを持つ医師のイメージ

 

初めての肛門科受診から十数年。39歳になった私は、すっかりいぼ痔との付き合い方を心得ており、特にトラブルなどもなく過ごしていました。仕事にプライベートに、充実した日々を送っていた私。

 

そんなある日、事件は起きたのです。これまでは、プライベートとも両立できていた仕事が急激に忙しくなり、毎日昼食の時間も取れないほどになりました。

 

いぼ痔にとって大切な水分補給のタイミングさえも失っていたことに、当時の私は気付きませんでした。ストレスや便秘、冷えも重なり、気付いたときにはいぼ痔の痛みが再発。その時点でなんとなく、嫌な予感はしていました。

 

不安になった私は、仕事の合間を見つけて急いで肛門科を受診。まさかと思っていましたが、医師からは「手術が必要です」と告げられてしまいました……。うまく付き合ってきたはずのいぼ痔が、度重なる悪条件により以前よりもさらに大きく成長していたのです。

 

 

上司にイボ痔だと言えず…

頭をかきむしる女性の後ろ姿のイメージ

 

会社勤めをしていた私は、自由に長期休暇を取れない状況にありました。そこで思いついたのが、年末年始休暇を利用するということ。

 

会社には早めに休暇に入るということにして、手術のスケジュールを確保しました。男性の上司に「いぼ痔の手術を受ける」と言うのは恥ずかしく……婦人科系の手術と偽って報告しました。うそを伝えて申し訳ないという気持ちもありましたが、本当のことを言う勇気はありませんでした。

 

手術が差し迫ってきた私をさらに悩ませたのが、生理の問題。ちょうど、手術予定日と生理が重なりそうだったのです。「手術が延期になるのでは……」と恐る恐る主治医に伝えたところ「まったく問題ない」と軽く笑われ、ほっとしたような気恥ずかしいような、複雑な気持ちを味わいました。

 

入院した初日は、同じ病棟で手術をする予定だという女性の姿を多く見かけました。いぼ痔が自分だけではないことを知り、安心したのもつかの間。同じ病室の女性はすべて経産婦さんということを知りました。「周りのみんなは出産の副産物として治療をしているのに、私だけただ痔を悪化させてしまった……」と思うと、恥ずかしいやらショックやらで早くいぼ痔から解放されたいという気持ちがより一層強まりました。

 

そしていよいよ手術当日。下半身麻酔ののち、手術は問題なく終えることができたのですが、問題は術後でした。麻酔が切れた後の痛みはまさに地獄そのものだったのです。特に排便時は気を失いそうになるほどの痛みに襲われました。

 

座る行為すら満足にできず、すっかりドーナツ型のクッションが愛用品に。産後でもないのにドーナツ型のクッションが手放せない自分に情けない気持ちにもなりましたが、痛みには勝てません。術後しばらくは、ドーナツ型のクッションが私の相棒となりました。

 

手術から数年が経過した今でも、術後の痛みははっきりと思い出せます。上司にうそをついてスケジュール調整したことや手術のしんどさ、二度と同じ間違いは繰り返したくないという思いから、手術以降は水分補給を欠かすことのないよう水を持ち歩くようになりました。

 

そのおかげか、最近では便秘にもなりにくくなり、便通が改善されたように感じています。便秘が改善されたおかげか、あれから現在に至るまでいぼ痔は再発していません。

 

まとめ

20代のころの私は、まさかいぼ痔で手術することになるとは夢にも思っていませんでした。初めて肛門科を受診したときに受けた先生からの指導を守っていれば、上司にうそをつくことも、病室で情けない気持ちになることもなかったのにと、今なお悔やむこともしばしば……。今は二度といぼ痔を再発させないよう、こまめな水分補給と冷え対策、ストレスをため過ぎない生活を心がけています。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:いけがき いくみ/30代女性。不妊治療を経て結婚7年目に待望の第1子を出産。産婦人科で務めていた経験を活かして、寄せられた体験談をわかりやすく伝えられるよう執筆している。

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

 

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