仕事で私が義祖母の誕生会に行けなかったときに、「うちの本家のボスであるおばあちゃんの誕生日会に来ないなんて、嫁としての自覚が足りないんじゃない?」「どうせ田舎のわが家のことを馬鹿にして、都会のバリキャリ自慢がしたいだけなんでしょ!」と言ってきた義妹。
義祖母には事前に連絡をしており、別でプレゼントの手配もしていました。義祖母も「仕事を優先してね」と言ってくれたのです。しかし、それを知っても義妹は「建前もわからない嫁なんて……」「おばあちゃんもきっと本心では悲しんでいるだろうなぁ」「きっと目をつけられて、今後は大変だろうね」と、私の立場が危うくなることをにおわせてきたのです。
義妹の嫉妬の理由
まだ結婚したての私。夫に義妹から言われたことを話し、「今からでも急いで行ったほうがいいかな……?」「あなたの立場まで悪くなっちゃうかも……」と連絡しました。
すると、「身内で盛り上がってるだけだし、欠席なんて気にすることないよ」「うちの母さんも『来てもつまらないわよ~』って笑いながら言ってるし」と夫。
でも、義妹には「嫁としての自覚が足りない」とまで言われたのです。ほかの親族にまで誤解されていたらどうしよう、と不安がる私に、夫は「何も悪いことはしてないから安心して」「妹に代わって謝るよ」と言いました。
義妹の言った通り、義祖母は親族のボス的な立場。礼儀作法にすごく厳しい方だったそうですが、末の孫娘である義妹だけはすごくかわいがってきたようなのです。夫曰く、「妹は自分だけがおばあちゃんの特別だって思ってたみたい」「でも、おばあちゃんが君にもやさしくするから嫉妬してるんだよ」とのこと。
理由を知ってもスッキリとはしませんでした。できるだけ義実家や義妹とは良好な関係を築いておきたかった私。「今度の集まりには絶対参加するから!」とその場で夫に宣言したのでした。
義実家の集まりで声をかけてきた義妹
数カ月後――。
宣言通り、来週に控えた義実家での集まりに参加することになった私。私が参加することを知った義妹は「当然、こないだの埋め合わせはしてくれるんでしょ?」と連絡してきました。
そして、「あと、嫁としてしっかり気遣いもできるようにしてよね」「嫁はみんなの倍以上動いて当然なんだから」「お茶出しとかもぜーんぶあんたの仕事よ!」と続けます。
私は素直に「できる限りがんばります!」と答えたものの、「まあ、あんたには期待なんかしてないけど」とだけ言い捨てて、義妹は電話をぶつんと切りました。
そして、翌週――。
義実家での集まりに参加した私は、義妹に言われた通り動き回りました。お茶はもちろん、料理などもせっせと運びました。
私がお手洗いに立つと、それを追ってきた義妹。腕を組んで、「ねぇ、今日の料理やばすぎでしょ」と後ろから声をかけてきたのです。
「お義姉さんって意外と料理が下手で笑えるw」
「よくあんなマズイ手料理を親戚に出せるわねw」
「私、作ってませんけど」
「え?」
料理を作った人物と義妹の末路
「強がらないで、正直に『味付け失敗しちゃいました』って言いなさいよ」「煮物は味薄すぎるし、おばあちゃんの好物のおはぎは砂糖の味しかしないし」
そう言って料理を酷評する義妹。私は思わず「あの……料理の味のこと、ほかの人には言ってないよね?」と聞きました。
「さっきあんたがトイレに立ったときに、みんな話してたのよ」「あんたのせいで私もお兄ちゃんも恥をかいたんだからね!」「親戚の皆さんには料理下手な嫁でごめんなさいって私が代わりに謝っておいてあげたんだから!あんたもあとで頭を下げなさいよ!」
私はため息をついて、「今日の料理、私はお皿に取り分けて運ぶのを手伝っただけ」「作ってくれたのは、すべて義祖母さんよ」と言いました。
誕生日会の欠席の埋め合わせのお詫びについて、さんざん悩んだ私。結局義祖母に「何かほしいものはありませんか?」「この間の埋め合わせをさせてください」と直接連絡したのです。
すると、義祖母は「今度の集まりに来てくれるだけでうれしいわ」「もし何かしたいと言うなら、朝早めに来てごはんの支度を手伝ってくれないかしら?」と言ってくれたのです。
私が経緯を話し終えると、「その通りよ」「あなたにもたくさん食べてほしかったけど……おばあちゃん、いつの間にか料理が下手になったみたいだね」と言って義妹の後ろから顔を覗かせた義祖母。
義妹は慌てながら「私がおばあちゃんの手料理の味を間違えるわけない!」「きっと、こいつが何か後から手を加えて……!」と必死に言い訳していました。しかし、義祖母は「仮にお嫁さんが作ってくれた料理だとしても、そんな風に批判するなんて!」と一喝。
「甘やかしすぎたのかしらね……」「かわいい孫であることに変わりはないけれど、こんな大人になってしまったなんて……しばらくは顔も見たくないわ」
その後――。
義祖母と親戚一同からこっぴどく叱られた義妹は、そのまま義祖母の家で再教育を受けることに。義祖母も心を鬼にして、義妹を厳しく指導しているようです。
一方、私は義祖母から料理のコツをいろいろ教わることに。先日の集まりで食べた料理やおはぎがとても上品だったので、ぜひ教わりたいとお願いしたのです。義祖母は「人様に教えることなんてないけれど」と言いながらも、料理以外に家事の時短術なども教えてくれます。夫も「わが家でばあちゃんの味が食べられてうれしい」と喜んでいます。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。