突然、「なんで結婚することを教えてくれなかったの!?」と連絡をしてきた同級生。大学当時は親友だと思っていましたが、彼氏を奪われて私の目は覚めました。
「お祝いしてあげようと思って、わざわざ連絡してあげたのに……」「教えてあげたいこともあったのになぁ~」と言う同級生。にやにやとした彼女の顔が浮かびます。
「祝われる筋合いはないわ」「今後関わって来ないで!」と言って電話を切ったのですが、今度は今でも仲良くしている親友から電話がかかってきて……?
親友と同級生の再会
「ごめん!私のせいで変なことに巻き込んじゃった!」と、開口一番謝ってきた親友。続けて、件の同級生から連絡が来ていないかを尋ねられました。
ついさっき彼女から連絡が来たことを話すと、「やっぱり……私のせいだ……」と親友。
詳しく話を聞いてみると、親友と同級生はまさかの場所で再会したそう。
「友だちが旦那の浮気現場に突撃するって言うから、念のために一緒に行ったのよ……」「そしたら、そこにあの女がいたの!」「いい年こいて、未だに人の男を追っかけているのよ!」
そのままその友だち夫婦と親友、そして例の同級生はファミレスで話し合いをすることに。同級生は謝るどころか開き直った態度だったそうで、親友は思わず「あんたが人の男を追いかけまわしてるうちに、ほかのみんなは素敵な人生を送ってるんだよ!」と言ってしまったそう。そしてその勢いで、私が結婚することも話してしまったそうなのです。
「そしたら、あの女、あなたの結婚相手について根掘り葉掘り聞いてきて……」と言う親友。私は青ざめながら「まさか、全部答えちゃったの……?」と聞きました。すると、「さすがにそんなことはしないよ!」と親友。そして「ただ……」と続けます。
「『とある会社の御曹司で、一流大学出身の超エリート』『タワマンの最上階暮らしで、月に1回は海外旅行がデフォ』って言っておいた!」
それを聞いて開いた口が塞がらなかった私。なぜなら、私の彼氏は普通の家庭出身の、普通の会社員。もちろん、タワマンなんかには住んでいません。
「さすがに、盛りすぎじゃない……?」とおずおずと私が言うと、親友は「少しくらい悔しがればいいと思ったのよ」と鼻を鳴らしました。
「でも、今日になってあの女から『素敵な旦那情報をありがとう』『おかげで次の略奪相手が見つかったわ』って連絡が来たの……」「それで慌てて連絡したのよ」「勢いで出まかせを言っちゃって、あなたと彼氏さんに迷惑をかけちゃって……本当にごめんね」
ちょうど彼と一緒に過ごしていた私。すぐに彼に事の経緯を伝え、例の同級生からの接触がないかを確認しました。不安がる私を、彼はそっと抱きしめてくれました。
同級生からの奪略連絡
1カ月後――。
「こないだぶりね~!」と悪びれもせず、再び連絡してきた同級生。
「この1カ月、本気になってあんたの旦那を落としてやったわ!」「タワマン暮らしの御曹司は私のものよ!」「1カ月前に私から略奪宣言を聞いていれば、防げたかもしれないのにね~!」
さらに、彼女は自慢気に続けました。
「今あんたの旦那と婚前旅行中よ♡」
「本気出してあんたの旦那を奪っちゃったの♡」
「旦那なら、今私の隣にいるけど…?」
「え?」
私はひとつ息を吐いて、「私の夫は私と一緒にハワイにいるの」「そして舞い上がってるところ悪いけど、私の夫は御曹司でもタワマン暮らしでもない、普通の会社員よ」と言いました。
すると、「はああああ!?」と声を上げた同級生。「あいつから聞いた話と全然違うじゃない!」「大学時代の友だちに嘘をつくなんて、あいつは最低ね!」と憤っていました。
「ところで、あなたはいったい誰といるの?」と興味本位から聞いてみた私。彼女は「あんたが暮らしてる街のタワマンをいくつもめぐっていたときに、声をかけてくれた人」「高そうなコート着てたし、タワマンから出てきたし、本当に御曹司だって言うし」「絶対にあんたの夫だと思ってアタックし続けたのに!」と声に怒りをにじませていました。
「あんたの旦那じゃなかったら、あんたが悔しがる顔が見られないじゃない!」
そんなことのために、タワマンめぐりをするなんて……。
「でもまあ、御曹司と巡り合えたんだから、本当に入籍できたら玉の輿じゃない」と言うと、「それもそうね!」と開き直った彼女。「私の旦那様は御曹司で、あんたの旦那は平凡な会社員」「やっぱりあんたは負け組なのよ、バーカバーカ!」と幼稚な暴言を吐いていました。私は呆れながらやり取りを終えました。
同級生の彼氏の正体と同級生の末路
数時間後――。
「どうしよう!私騙されてたんだけど!」と再び同級生から連絡が。
「あいつ、御曹司なんかじゃなかったの!」「ただの会社員で、タワマンには友だちが住んでるから遊びに行ってただけなんだって!」「親から結婚を急かされてて、仕方ないから私をナンパしたんですって!」
偶然にしてはできすぎた話だと思ってはいましたが……。ただし、同情はできませんでした。
「『嘘をついたことは謝る、だけど君への気持ちは本当だから』って気色悪いこと言い出すし!」「年収もたったの300万!これじゃあ全然贅沢できないじゃない!」「しかも結婚したらすぐに両親と同居しろって!そんな条件での結婚なんて論外よ!」
電話口でわめき散らす彼女に、「悪いけど、他人の色恋ごとにはもう興味ないから連絡してこないでくれる?」「せっかくのハワイでの新婚旅行、邪魔しないでほしいの」とだけ言って、私は電話を切りました。
その後――。
数々の浮気相手の奥さんから請求された慰謝料を、彼氏である男性に立て替えてもらっていたらしい同級生。その借金の総額はなんと500万!「結婚しないなら全額一括で返してくれ」と言われて、彼女は泣く泣くその男性と結婚したそうです。
一方、私と夫はハワイ旅行を満喫。私と夫を守ってくれた親友には、とっておきのお土産を購入しました。これからは私の幸せを心から願ってくれる人たちとだけ、付き合っていこうと思っています。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。