出かける直前に昼寝を始めた夫
娘が7歳になる年の出来事です。同級生の七五三の写真を見て「私も着物を着て写真撮りたい!」とやる気の満々の娘。私は七五三の写真をスタジオで撮りたいと思っていたので、すぐに夫へ相談。二つ返事で了承してくれたので、行きつけの写真スタジオの予約をすることに。人気のスタジオで予約日が限られていましたが、なんとかスタジオのスケジュール調整をしてもらい、週末の予約がとれました。「今週土曜日の14時に予約したよ」と伝えると、娘はうれしそうに喜び、夫も「わかった!」と返事。
そして当日、昼食後に慌ただしく出発の準備を進めていると、いつの間にか夫はリビングで昼寝をしています。私が「パパ! 娘の七五三撮影に行くよ! 起きて!」と叩き起こすも「う~ん」と言って起きようとしません。それにイラッとしてもう一度声をかけようとすると、娘が「パパきっと疲れてるんだろうね。仕方ないよね。起こさなくていいよ」と言ったのです。私は夫に「置いていくからね!」と大きな声で言いましたが、反応なし。娘はうつむいて車に乗り込み、家族そろっての撮影は予定していなかったので、10歳の息子と3人で写真スタジオへ。元気のなかった娘でしたが、スタジオでたくさんの素敵な着物に囲まれて機嫌も回復し、撮影は無事終了。
帰宅すると夫はリビングで映画を観ながら「おかえり」と言うのみ。「スタジオの予約時間があるのに寝てたよね」と私が言うと「え、何のこと? あっ! え? 七五三の撮影って今日だったの!?」と夫は思い出した様子。まずいと思ったのか、私ではなく娘に向かって「なんで起こしてくれなかったんだよー、あー行きたかったなぁ」と責めるように言いました。私はすかさず、「何回も声かけたよ!! そしたら娘が、パパは疲れてるから仕方ないって言ってくれたんだよ……!」と伝えます。娘も「だってパパがいつもねむいねむいって言うから……」と泣きそうに。すると息子が「妹ちゃんは、パパが疲れてるからって起こさなかったんだよ。やさしさに甘えちゃいけないよ!」とズバッとひと言! 息子の鋭いひと言にしゅんとした夫は、娘に向かって「パパのことを考えてくれてありがとう。一緒に行かなくてごめんね」と謝罪。娘はいいよと言い、すぐに切り替えていつもの雰囲気に戻りました。
子どもたちのやさしさと成長を目の当たりにして、夫に対するモヤモヤした気持ちが次第に晴れました。今後は同じようなことが起きないように、前日にスケジュールの共有をきちんとしようと思った出来事です。
著者:安藤由美香/30代・ライター。おおらかな10歳の息子と完璧主義の6歳の娘の母。アクティブな夫と黒柴わんこと共に、にぎやかな日々を過ごしている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)