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長期金利上昇で生活への影響は?ファイナンシャルプランナーが教えます

この記事では、ファイナンシャルプランナーの大野先生が長期金利上昇で生活への影響についてお話しします。2018年7月末に日本銀行は金融政策決定会合で、長期金利の上昇を0.2%程度まで容認する考えを表明しました。住宅ローンの返済金利も上がる可能性も高まるとのことです。

住宅ローンのイメージ

 

2018年7月末に日本銀行は金融政策決定会合で、長期金利の上昇を0.2%程度まで容認する考えを表明しました。これは要約すると「これからは10年以上の利子は今までより多めに設定していいですよ」と言うことになります。

 

定期預金等の金利が将来的に上がる期待があるものの、住宅ローンの返済金利も上がる可能性も高まります。長期金利が上昇する中で起こりうる状況や注意点をお伝えします。

 

1.10年以上の固定金利は上昇傾向に

住宅ローン金利は、原則毎月1日に当月の金利を発表することがほとんどですが、2018年8月適用金利は、日本銀行の長期金利上昇の容認を受けて、10年以上の固定金利を上げた銀行がありました。今回の上昇幅は0.05%程度ですが、今後、日本銀行が容認した0.2%程度まで上がる可能性が少なくありません。フラット35も金利を上げた金融機関が一部ありました。

 

そのため現在、固定金利(全期間固定ではなく、〇年固定金利)で住宅ローンを借りている人、また借り換えを検討している人は金利をしっかり確認したうえで、今後の金利変更や借り換えに備えましょう。現在の借入金利より借り換え金利が低い場合(例:現在の借入金利1.2%、借換金利0.8%)で、借り換えを検討している人は金利が上がりきる前に手続きしたほうが得策です。なお、借入金利は手続き時ではなく、融資実行時の金利になりますので、その点はご注意ください。  

 

変動金利は、短期金利に連動しているため2018年8月の金利に影響はありませんでした。短期金利はしばらく大きな変化はなさそうですが、長期金利が上がりきる前後に需要と供給のバランスで金利が上がる可能性もあります。しばらくは変化がなくても、将来的には金利が上がる可能性がある前提で返済計画を立てましょう。

 

2.長期の預金、国債、保険の利回りも上昇傾向に

金利は借りる面だけではなく、貸す(預ける)面でも影響を受けます。たとえば、個人向け国債の変動10年の適用利率は、2018年7月は年0.05%でしたが、2018年8月は年0.09%と今回の長期金利上昇の影響を受けています。また、大手保険会社ではマイナス金利の影響で販売停止をしていた貯蓄性のある一時払いの生命保険の取り扱いを再開しました。10年国債や生命保険のように長期で契約するものについては、金利上昇の影響が出始めました。  

 

普通預金や定期預金は短期金利をベースにしているため、住宅ローンの変動金利と同様にすぐに金利が上がることはありませんが、長い定期預金から金利が上がる可能性は少し高まりました。こちらもより金利の高い預け先を希望される場合には、こまめに金利を確認するようにしましょう。  

 

 

2016年2月から実行されたマイナス金利ですが、2018年8月からも短期については継続されるものの、長期(10年以上)については緩和されるため、今までとは住宅ローンや国債、保険等については条件が変わることが出てきます。何もしないで、損をしてしまったということがないように、改めて住宅ローンや生命保険等の確認をする機会にしていただければと思います。


1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。

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