母の負担は相当なものに
わが家は自営業で、父は配達を担当していました。母は運転免許を持っていなかったので、主に店番をしていました。私がまだ幼いころ、父が手術を受けることになりました。その間、配達が難しくなるため、母は30代で自動車学校に通い始めました。働きながらの教習は大変だったろうと思います。
今振り返ると、慣れない運転、仕事の両立、父の入院中の店番と母の負担は相当なものだったでしょう。免許を取得してからは、母の仕事も配達へと広がりました。私も何度か同行した記憶があります。父の見舞いにも通わなければならず、本当に忙しそうでした。
今、改めて母を尊敬する理由は
父は54歳、母は66歳でこの世を去りました。母は60歳を過ぎても運転免許を更新し続けていました。苦労して取得した免許への愛着を感じました。
私は20歳で免許を取得しました。当初は取得するつもりはありませんでしたが、仕事で必要になり、しぶしぶ教習所に通いました。最初のうちは運転が怖くて仕方ありませんでしたが、若いおかげかすぐに慣れ、車のない生活は考えられないほどになりました。近場でもすぐに車を使ってしまうほどでした。20歳で取得した私とは違い、30代で挑戦した母は「どれほど大変だったろうか……」と、いまさらながら思います。
生活がかかっているときの行動力に脱帽
私は今、障害があり、運転ができなくなってしまったため、免許を返納しました。生活がかかっているとき、人は驚くほどの力を発揮するのだと、母の生き様を見て学びました。
母は、私を叱ってばかりいたので、正直苦手な存在でした。しかし今、自分がさまざまな困難に直面する中で、母が家族のためにどれほど苦労していたのか、身に染みて感じています。
まとめ
両親も亡くなり、妹とも疎遠になってしまった今、頼れるのはいとこ程度です。彼らもまた、私にとって人生の先輩であり、尊敬する存在です。母の頑張りを思い出すとき、私も前を向こうという気持ちになります。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:木村眞子/50代女性・アルバイト。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)
シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!
シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!