迷惑な義姉親子
甥は、お昼ごはんを作って出すとまずいと言って宅配ピザを要求する上、まるで自分の家のように冷蔵庫を勝手にあけて飲み食いし放題。
ソファの上で飛び跳ねるのは当たり前で、お菓子を片手に家の中をうろうろするので、ベッドにクッキーのカスが落ちていたことも……。甥が来たあとは、家の中がぐちゃぐちゃです。
もちろん義姉から預かったお礼を言われたことなど一度もありません。夫は毎回私に謝り、義姉に注意してくれますが、まったく効き目がないのです。
義姉に黙って引っ越そうと夫が提案するものの、お金もかかる上、義姉から逃げ切れる保証もありません。第一、私たちのほうがお金をかけてまで義姉たちを避けねばならないことに納得ができないのです。
仏壇に興味を持った甥は…
そんなとき、突然私の姉から連絡が入りました。実家がリフォーム工事をすることになったそうで、工事をしている間仏壇を預かってほしいというのです。
仮住まいに置くところがないというなら仕方がありません。私は実家の仏壇をしばしの間預かることを了承しました。
姉が仏壇を持ってやってきた日、またしてもわが家にやってきた甥は、目新しい仏壇を見つけてロックオン! 私と姉が仏壇がどういうものかを説明し、触らないよう注意すると、義姉たちは親子そろってバカにしたように大笑いしたのです。
亡くなった人が見守ってくれるわけがないという義姉の言葉に、甥は「だまされないぞ」と言い、クレヨンで仏壇に落書きを始めてしまったのでした。
慌ててクレヨンを取り上げてキツく叱ると、義姉は子どものしたことだから怒らないでと不満げ……。ムカッとする私たち夫婦でしたが、姉は静かに笑って「許してあげましょうよ」と言います。
姉は笑顔で見守るばかり。それでもただひとつ、罰当たりなことをしたら相応の報いが起こると、淡々と話していました。
因果応報
姉が言っていたことが理解できたのは、そのすぐあとのこと。義姉たちのまわりでは悪いことが次々に起こったようです。
義姉は彼氏に浮気され、車を当て逃げされ、職場の閉店に伴い職を失くしたそう。甥も体育の授業で骨折し、頑張っていたサッカーチームでもレギュラー落ち。じゃんけんに負けて、なりたかった学級委員も逃したようです。
こんなに嫌なことばかり続く!? という日々に急に怖くなった甥は、ついにわが家に謝りにきました。仏壇にも手を合わせて謝り、すでに落書きを落としてきれいにしておいた仏壇をピカピカにしてくれたのです。
それ以降甥に悪いことは起こりませんでした。しかし問題は義姉です。偶然だと言って聞かず、謝る素振りも見せません。子どもを育てる親である以上、甥には正しい大人の振る舞いを見せてほしいのですが……。
「罰が当たる」は本当?
義姉に訪れた“悪いこと”……極め付きは、元夫が「息子の親権取り戻す」と言ってきたことでした。義姉は先日職をなくしたばかり。正直日ごろのおこないも悪く、近所や同級生の保護者からの評判も最悪です。
このままでは親権を元夫に取られてしまうかもしれません。ここまできてやっと、義姉は自分の無礼な振る舞いを自覚し、私や私の家族、そしてご先祖様に謝りたいと申し出たのでした。
義姉に降りかかった出来事がご先祖様が与えた罰だったかは誰にもわかりません。今更悔い改めた義姉がどうなるかも、神のみぞ知る。私としては、甥は元夫に育てられたほうが幸せかもしれない……そんな気持ちです。
目に見えないものを信じるかは人それぞれですが、罰当たりなことをするのは、褒められたことではありません。親として最低限の教えは伝えていきたいものですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。