ナプキンはあるけど誰にも言えず
私が小学6年生のときの話です。幼なじみ一家と私たち家族はとても仲が良く、よく一緒に出掛けることがありました。ある休日、2家族でテーマパークへ。途中まではとても楽しかったことを覚えています。
しかし、トイレへ行ったとき、生理がきてしまったことに気付いたのです! 私はとても憂うつな気分になってしまいました。
私のバッグには母が「生理が突然くることもあるから持っておきなさい」と言い、持たせてくれたナプキンがありました。そのため、ナプキンには困っていませんでしたが、「生理がきたって言ったらこの楽しい雰囲気を壊してしまうかもしれない」「気をつかわせて遊びどころではなくなるかもしれない」と考え、生理がきてしまったことを誰にも話せずにいました。
幸い、痛みはなく体が少しだるい程度。「元気に振る舞っていれば体のだるさも忘れて、また楽しめるようになるだろう」と思ったのです。
生理に気付いた幼なじみ
私がトイレから出てきて少し経ったころ、同い年の幼なじみの男の子が突然自分が着ていた上着を脱ぎ「俺、暑くなって脱ぎたいから、これ持ってて」と私に上着を押しつけてきました。
困惑する私に彼は「持つのがめんどうなら腰に縛って持っててよ」と言い、上着で私のおしりが隠れるように上着を縛ってくれたのです。
そこで私は「もしかしたらズボンが経血で汚れているのかな? それを隠すために上着を貸してくれたのかな?」と思い、上着を借りることにしました。
ツンデレな彼が心配もしてくれた
このあとも彼は「疲れてない?」と定期的に心配してくれました。小学6年生になってから性別を意識し始め、彼とはあまり学校で話さなくなってきたので、そんな彼が私のことをここまで心配してくれているとわかり、私はとてもうれしかったです。
帰宅後、私は母に、生理であったこと、彼が上着を貸してくれていたことを打ち明けました。ズボンを確認すると、やはり経血が少し漏れていて……。広範囲ではなかったため、大人の目線からは気付きにくく、身長が近かった幼なじみだけがすぐに気付けたのだと思いました。
母も彼の母も私が彼の上着を持っていることを不思議に感じていたそうですが、「2人で遊んでるのかな?」と思い、上着を返すよう言わなかったそうです。
翌日、私は母と一緒に洗濯済の彼の上着を返しに行きました。「ありがとう。うれしかった」と話すと彼は照れくさそうに笑っていました。生理を打ち明けられずにいましたが、偶然彼が察してくれたおかげで、私も安心して最後までテーマパークを楽しむことができました。
著者:佐藤里桜/女性・主婦
イラスト:アゲちゃん
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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