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「重症だね。なんで早く受診しなかったの?」医師の言葉に涙。産後半年の私を襲った顔面の鈍痛の正体は

39歳で2人目の子を出産し、家事と子育てに追われていたときのことです。産後半年を過ぎたころからよく鼻が詰まり、鼻水が多く出るように。加えて黄緑っぽい色に、喉に流れ込む感じ、その特徴から蓄膿症(ちくのうしょう)ではないかと疑い始めました。しかし、赤ちゃんを抱えての受診はそう簡単なものではありません。痛みに耐える日々を過ごし、やっとの思いで病院を受診するも、そこで浴びせられた医師からの言葉に絶句……。私の悲しい体験談をお話しします。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師高島雅之先生

日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2006年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。『宇都宮睡眠呼吸センター』を併設し睡眠医療にも携わる。
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自分のことは後回し

もともと鼻炎などとは付き合いのなかった私。思い返すと、始まりは1人目の妊娠中にあったような気がします。鼻水が出るのが気になり、鼻をかむことが多くなっていました。ネットで調べると「妊娠性鼻炎」という妊娠中に起こりやすい鼻炎があることを知りました。「妊娠中のことだから仕方ない」と、そのときは軽く考えていたのです。

 

そして2人目の妊娠中もまた、鼻詰まりや鼻水、鼻血が出るといった症状が。私は「また妊娠性鼻炎か……」としか思いませんでした。

 

しかし、産後6カ月を過ぎたころから、ひどいときには起き上がれないほどの顔面の鈍痛が。眉間から目の下の頬あたりまで、顔の中心部分がずーんと重く、指で皮膚を少し触っただけでもズキズキと痛みます。

 

そんな中、毎日の家事と、子どもの世話をするのは大変でした。家事や育児を夫に頼めればいいのですが、夫は高校の教員で、毎日忙しくしているのを見ていると「仕事を休んでほしい」とは言いづらい雰囲気。

 

一番大変だったのは、2歳の長女が体調を崩して保育園に預けられなかったときです。顔面の鈍痛と頭重がある中、日中2人の子どもの世話をするのはかなりしんどく、自分の母に頼れたらどんなにいいかと遠く離れた実家を思う日々でした。

 

思い通りにいかない病院受診

出産して半年たったころ、さすがにこの痛みを持ったまま生活はできないと思い、家のすぐ近くにある評判のいい耳鼻科に電話したところ「予約がいっぱいで1カ月以上先になります」と言われがくぜん。季節がちょうど春先だったこともあり、花粉症の患者が多く受診を待っているためでした。「1カ月なんて待ってられない!」と予約を諦め、他の病院を探してみることに。

 

ネットで検索した口コミをもとに、とりあえず近場の小さな耳鼻科へ行きました。しかしそこも患者が多く、待合室の椅子に座れない人が通路に並び、入り口の外まで出てきてしまっている状態。赤ちゃんを抱えて長時間待つなんてとても無理でした。受付表に記入はしたものの、すぐに諦めて帰宅しました。

 

他にも耳鼻科はありましたが、時期が時期なだけに、どこも同じような状態だろうと完全に諦めモードに。助けてくれるはずの病院という存在がとても遠いものに感じ、「病院に行けない人はずっと痛みに耐えなければいけないのか?」と悲観的になっていました。

 

 

救われると思って受診したのに…

結局最初に電話した耳鼻科を受診することに決め、市販の薬でだましだまし症状を抑えつつ、予約を入れてから1カ月後にやっと受診できました。

 

CT検査を受け、医師に診てもらうとやはり蓄膿症という診断でした。蓄膿症は副鼻腔炎ともいわれ、副鼻腔に膿がたまることが原因で起こる病気です。風邪や花粉、カビなどの菌、ストレスが原因で鼻腔が炎症し、その状態が長引くことで発症につながります。

 

映し出されたCT画像を見ながら医師は、「あー、重症だねぇ……。なんでもっと早く受診しなかったの?」と、いかにも残念だという口ぶり。そして、画像の頬のあたりに見える副鼻腔の部分を指し、「ほら、ここにいっぱい膿がたまっているでしょ。こんなにたまるまでずっと放っておいたの?」とあきれたような表情で言いました。

 

私はその対応になんとも悔しい気持ちになり、これまで耐えてきたことすべてをぶちまけたい衝動に駆られました。病院に行きたくても子育て中ですぐには行けない状況、いざ受診しようとしたら1カ月先になると言われたこと、やっと診てもらえたと思ったら医師からの心ない言葉……。もちろん、その医師は私のそれまでの状況など知りませんし、私を責めるつもりで言った言葉でないことはわかっています。しかし、産後の不安定な情緒もあったのかもしれません。自分の中で“理不尽”と思えることばかりで、帰宅してから涙があふれました。

 

まとめ

診断の結果、医師から「手術で治したほうが早いよ」と言われました。しかし、2人の幼い子どもの世話があるうちは入院を伴う手術は厳しく、医師と相談して薬で症状を抑えていくことに。薬のおかげで膿が抜け、受診してから1年以上たった現在は顔面の鈍痛などの症状は出なくなり、普通の生活を送っています。

 

ただ、蓄膿症とうまく付き合っていくため、毎日薬を飲むことと定期的な病院受診は欠かせません。そして、起き上がれないほどの痛みに耐えていた日々、医師の心ない言葉に悔し涙を流したことは忘れることはないでしょう。そんな私が気を付けていることは、「心ない言葉で私を泣かせた医師」の「やさしく診てくれる息子さん」が当番の日を狙って受診することです!

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:吉井 マリー/40代女性・ライター。人生ずっとおもしろおかしく生きていきたい! 2020年、2022年生まれのおてんば娘たちの子育てに日々奮闘しながら、加齢に伴うさまざまな悩みとも闘っている。

イラスト/sawawa

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)

 

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      産後の状況とてもわかる…一緒ですね。
      そして、副鼻腔炎持ちとしては、医者の言葉もよくわかる…
      1度かかるとしつこいし何度も繰り返すし、痛みやストレスとか口臭とかもあるし、たちが悪い病気。

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