やさしい母が突然「コラ!」
車で1時間の距離にある実家に帰省していたときのことです。4歳の息子と2歳の長女、生後10カ月の次女と会うのを、いつも楽しみにしてくれている母。子どもたちもばぁばが大好きで、「ばぁば、ばぁば」と言って、いっしょに遊ぶのを喜んでいます。昔は私たち姉弟にとても厳しかった母ですが、今はその面影もなく孫にデレデレで、育児を積極的に手伝ってくれるので私も助かっています。
そんなある日、母に次女を預けて息子をトイレに連れて行っていると突然「こら!!」と母の大声が。驚いた私はかけつけて、「どうしたの? 大きな声でびっくりしたよ!」と言いました。すると母は、「あぁ、これを口に入れようとしていたから……」と言って指でつまんで何かを見せてくれました。次女が食べようとしていたものとは、なんと薬。白くて小さな丸い形をしていました。父が高血圧のため朝食後に血圧を下げる薬を飲んでいるのですが、どうやら落としてしまったそう。すぐに薬を探したようなのですが、とても小さいので見つからなかったようです。そのことを知っていた母は、ハイハイでテーブルの下に入っていった娘を見て、まさかと思い覗くと薬を口に入れようとしていたところだったので、思わず大きな声を出して止めたとのこと。大きな声と、見つけた薬を取られたことに驚いて娘は大泣き! 娘を抱っこしながら「びっくりさせてごめんね。お菓子だと思ったよね」となだめてくれました。その後仕事から帰ってきた父は、母にこっぴどく怒られたのです。
大人の血圧を下げる薬を、もし赤ちゃんが飲んでいたら……。想像するだけでゾッとしました。母のファインプレーには感謝してもしきれません。自宅でも薬を飲むときには、落とさないよう気をつけようと思います。もし落としてしまったら、見つかるまで探すことも大切だと学びました。小さな子どもの誤飲には常に注意が必要だと痛感した出来事です。
著者:下野香月/30代・ライター。面倒見のいい6歳の長男と、ひょうきんな4歳の長女、甘え上手な2歳の次女を育てている元保育士ママ。在宅勤務を目指しスキルアップ中。日々子どもたちに癒やされながら、忙しくにぎやかな毎日を送る。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)