私を捨てた父。10年後の再会
そこに浮気相手を追いかけてきた父がやってきました。そこで父は「浮気がばれたなら仕方がない。俺はお前と離婚してこの子と再婚する!」と母に告げたのです。母のことを一緒にいる価値のないおばさんだとバカにし、私のことも「いらない」という父に、私はとてもショックを受けました。
母は、その日から寝込んでしまい、仕事にも行けなくなってしまいました。その間は、父から振り込まれた慰謝料と養育費を頼りになんとか生活した私たち。母の気持ちが落ち着くまでに5年を要しました。
そして、父への恨みを募らせながら大人になった私も、ついに就職の年を迎えました。
緊張して迎えた出社初日、私は驚きの再会を果たすことになります。なんと配属先の部長が、家を出て行った父だったのです。
挨拶をしても、父は私にまったく気づいていません。どうやら父は、この会社の社長の娘と結婚し、この会社に転職したそうです。わが家を訪ねてきたあの女性の顔が頭をよぎりました。
父と浮気相手を許すことはできません。私は父に反撃を仕掛けることにしたのです。
長年の恨みを果たすとき!
ある休日、私は自分が娘であることを隠したまま、父を食事に誘いました。父は若い部下からの誘いを二つ返事でOKしたのです。
「若い子とデートできるなんてうれしいよ! でも俺、結婚しているけど、そういうの気にしないタイプ?」と含みのある言い方をする父。大丈夫だと伝えると、父は喜んでお店の手配をしてくれました。
父が予約したのはホテルの中にあるレストラン。ベタすぎる展開ですが、おそらく食事の後、部屋に誘われることでしょう。
その後の展開は私の予想通り。食事を終えた父から部屋に誘われたので、私たちはホテルのフロントに向かいました。しかし私がやすやす部屋についていくわけがありません。
こっそりスタンバイしてもらっていた友人に、私たちがチェックインする様子を動画に撮ってもらっています。部屋番号もこっそり共有済み! これは私が仕掛けた罠です。
父への反撃開始
社長と娘には、ホテルのレストランへ若い部下と食事に行っていると事前にタレコミをしておいたので、そわそわしていることでしょう。そこに今撮影したチェックイン動画を送ったら、すぐに駆けつけてくるに違いありません。社長直の連絡手段がある会社だったのは幸運でした。
部屋に入るのを引き延ばし、ラウンジでお茶を飲んでいると、社長と娘がものすごい勢いで駆けつけました。父を見つけると、激怒! 怒りの矛先が私に向いたところで、私は「浮気するような人間と結婚したのだから仕方がないですよね!」とチクリ!
そんな私を見て、父は驚きの表情を見せました。「まさか、俺の娘か?」と聞く父に、私は「娘である証拠を見せる」と告げて、当時撮影した動画を見せてあげました。
そこには、浮気相手である社長の娘が、母に「慰謝料をたっぷり支払うから離婚しろ!」と叫んでいる姿がはっきりと映っていました。
不倫した父の末路
社長はこの動画を見て大激怒! 父は妻子がいたことやバツイチであることを黙っていたようです。さらに自分の娘と不倫関係だったことに、本当に怒っていました。私からすれば、妻子がいると知っていて関係を持っていた社長の娘も同罪ですが……。
父は退職に追い込まれたよう。社長の娘も離婚か家を出ていくかの選択を迫られ、離婚を選んだそうです。その後父がどうしているかはわかりません。
私も会社を退職しました。不倫の証拠動画と引き換えに多額の慰謝料をもらったので、資格の勉強でもしようかと思っているところです。
父の不倫は大きな心の傷になりましたが、なんとなくスッキリしました。これからは後ろを振り向くのはやめ、自分の人生を生きていきたいと思います。
不倫から始まった男女関係は、とても不安定なもの。だからこそ、疑う気持ちが晴れなかった社長の娘は、やすやすと今回の罠にかかったのでしょう。やはり人の不幸の上に成り立つ幸せなどないのだと思わされましたね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。